デッキ紹介

モグの略奪者とゴブリンの女看守を使い倒そう! ゴブリンの立ち回りで考えること

4月の《宝船の巡航》禁止後、Pauperでは黒単信心が猛威を振るうようになりました。

次に、その黒単を狩るべくバーンが一気に増え、一時はバーンがトップメタに登りつめるまでに。

 

その後、黒単+バーンが中心のメタになったことを受けて、多くのデッキが黒単とバーンをガンメタした構成になってきています。

ゴブリンもその1つで、メタに合っているのかここ最近頻繁に入賞するようになっています。

deathmatrons
Pauperのゴブリンは《モグの略奪者》《死の火花》《ゴブリンの女看守》など扱い方によって性能が大きく変わるカードが多く、立ち回りを1つミスするとコテンパンにされやすいデッキでもあります。

そのため、「このデッキでどうやって勝ててるんだ?」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そこで今回は実戦動画を使って、ゴブリンの動きや立ち回りを見ていこうと思います。

今回は文字中心かつ長めなので、ゴブリンを使う予定のない方は雰囲気でさらっと読む感じ・ゴブリンを使っている方は「こういう時どうしてるんだろう?」と疑問に思ったときに読み返すくらいの感じで読んでいって貰えると嬉しいです。


18:《山/Mountain》
-Lands(18)-

4:《稲妻/Lightning Bolt》
1:《火炎破/Fireblast》
2:《死の火花/Death Spark》
1:《炎の斬りつけ/Flame Slash》
-Other Spells(8)-

4:《ゴブリンの群勢/Goblin Cohort》
4:《モグの徴集兵部隊/Mogg Conscripts》
3:《モグの略奪者/Mogg Raider》
3:《ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder》
4:《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》
4:《モグの戦争司令官/Mogg War Marshal》
3:《ジャッカルの使い魔/Jackal Familiar》
2:《鋳造所通りの住人/Foundry Street Denizen》
2:《ゴブリンの付け火屋/Goblin Arsonist》
4:《ゴブリンの女看守/Goblin Matron》
1:《ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter》
-Creatures(34)-

3:《電謀/Electrickery》
2:《炎の斬りつけ/Flame Slash》
3:《シルヴォクの生命杖/Sylvok Lifestaff》
4:《紅蓮破/Pyroblast》
2:《倒壊/Raze》
1:《鋭い痛み/Flaring Pain》
-Sideboard(15)-

カード紹介

実戦動画を見る前に、まず今回使用したデッキにおける「ゴブリン定番の26枚(※)以外の採用カードとその採用理由」を挙げていきます。

※(ゴブリンの群勢・モグの徴集兵部隊・モグの略奪者・ゴブリンのそり乗り・ゴブリンの奇襲隊・モグの戦争司令官・稲妻)

sylvokheelcuts

ジャッカルの使い魔 …1マナ2/2を高く評価。先鋒としては弱いので3枚に抑える ※参考

鋳造所通りの住人 …タフネス1は貧弱ですが、パワー3以上になりうるのが対バーン・familiar戦で有力。それらがメタに多いので採用。

ゴブリンの付け火屋 …追加の《鋳造所通りの住人》との選択。1点火力付きのゴブリンは小回りが利いて使いやすい。

ゴブリンの女看守 …弱いカードを積みたくなかったので、多めの山と女看守で枠を埋めています。マナフラッドした時でも女看守さえ引ければ十分戦えるのが嬉しいポイント。

ゴブリンの踵裂き …ブロック不可が非常に強い。女看守から持ってくる事も少なくない。

火炎破 …1枚なら積み得。本来なら負けのはずの勝負が、これのおかげでギリギリ勝てたという試合は数知れず。

死の火花 …タフネス1除去は勿論の事、戦闘で足りない1点を補佐する便利な火力。土地を多めに採用したのが活きる。

炎の斬りつけ …サイドスペースを確保するためメインからの採用。何かと便利な追加の除去。

(サイド)シルヴォクの生命杖 …最近増えたバーン対策。

 

vsバーン

1戦目はバーン。《焼尽の猛火》《ケルドの匪賊》でこちらの戦力を削りつつライフを攻めてくる厄介な相手です。

①ノーランドをマリガン。軽くて戦いやすい6枚をキープ。山セットから動きがなかったので、この時点でバーンデッキを想定。《焼尽の猛火》を警戒していきます。

Turn1:打点を重視するならパワーが3になりうる《鋳造所通りの住人》から展開すべきですが、《焼尽の猛火》が飛んでくる可能性も考慮して2/2から展開。

Turn3:《ケルドの匪賊》が登場。苦しい所ですが、次に山を引いた時に最大打点を取れるように「稲妻で匪賊を焼きつつ2/2を追加」を選択。

Turn5:毎ターン《ケルドの匪賊》が出てきますが、それ以外に動きがなかったので《ゴブリンの奇襲隊》で勝ち。

 

サイドボーディング 
OUT:死の火花2、炎の斬りつけ1 
IN:シルヴォクの生命杖3

 

②初手は山4生物3。ライフレースで勝てるプランが見えない事と、《シルヴォクの生命杖》さえ引ければ勝てる相手である事を考え、マリガン。狙い通り《シルヴォクの生命杖》+《モグの略奪者》の初手を貰えたので、あと1枚山が引ければ勝ちは近い。

Turn2:山を引く。生命杖の効果を能動的に使える《モグの略奪者》を焼かれたくないので、生命杖から展開。

Turn3:相手がフルタップしている隙に略奪者に生命杖を装備させ、ライフ回復の構え。

Turn7:ライフに余裕がある状態で《ゴブリンの女看守》を引く。ライフを維持できれば勝てるので、女看守→女看守→略奪者からの生命杖回復を狙います。

生命杖装備に対応して焼かれても「バーン相手にライフを3点守れた」と考えれば十分です。

Turn8:相手は手札1枚+《裂け目の稲妻》待機。自分のライフは12点あるので、負け筋は《裂け目の稲妻》→《針落とし》→《針落とし》→3点火力+《火炎破》のみ。その細い負け筋を考慮するよりも、もう1体1/1がいた方が盤石と判断し、もう一度女看守をサーチ。

Turn9:《ゴブリンのそり乗り》を引く。ライフを安全圏へ持って行った後、そり乗りに生命杖を装備できたのを確認してから女看守を召喚。

装備に対応してそり乗りが焼かれた場合は女看守から《モグの略奪者》を持ってくるつもりでしたが、無事装備できたので追加の女看守をサーチ。

負け筋が無くなり、勝ち。

raidersledders

vsウィーゼロックス

2戦目はウィーゼロックス。スピード勝負になる相手です。

除去とクリーチャーを上手い具合に引く必要があり、メイン+サイドで《炎の斬りつけ》を3枚は積んでおきたいところ。

①綺麗に動けそうな初手をキープ。島からデルバーが出てきたので、とりあえずはフェアリーを想定していました。

Turn2:ギタ調・変異原性が見えたので、9割方ウィーゼロと想定。スピード重視で2/2を2体展開します。

Turn3:通常は《モグの戦争司令官》から展開して「次のターンに山を引いた場合に最高打点」+「稲妻を引いた場合は除去+1マナ生物展開」を狙う盤面。

ですが、このターン2/2が1体《稲妻》で落とされるとすると、相手の残りライフは14。

返しに相手がデルバー攻撃+《ニヴィックスのサイクロプス》展開の場合、奇襲隊から10点攻撃が通り、《火炎破》で綺麗にライフを0にできます。

そのため、次ターンに山が引けなくても勝てる可能性のある《ジャッカルの使い魔》+《ゴブリンの付け火屋》を選びました。

 

サイドボーディング 
OUT:死の火花2、ゴブリンの付け火屋1、ゴブリンの踵裂き1 
IN:炎の斬りつけ2、紅蓮破2

《ニヴィックスのサイクロプス》を除去できるカードを増やします。スピード勝負になるので、決め手となる奇襲隊を持ってこられる女看守は減らしていません。

 

②除去の多めなハンド。奇襲隊もあるのでキープ。

Turn2:「デルバーと付け火屋を相打ちさせて2/2と略奪者展開」では、返しにサイクロプスを展開されると次のターンに除去と2/2攻撃が同時に出来なくなります。その点を嫌い、デルバーを稲妻で焼いて2/2を展開しています。

Turn3:相手は明らかに《電謀》の構え。アドバンテージを取られると痛いので、略奪者のみを展開して攻撃します。エンドに《電謀》が飛んできますが、動きの幅を持たせるために略奪者を残します。

Turn4:相手は1マナ立てて《窯の悪鬼》を出してきます。妙な間があり、相手が「稲妻と使徒の祝福を持っていて、稲妻を打つべきか迷っている」ように感じたので、相手の稲妻への対応でこちらも稲妻を打ち、《窯の悪鬼》の除去を狙います。

ここは、殴ってから稲妻を打った方が良かったですね。

 

vs赤白密集軍(トークン)

まだらめさんが入賞させてからちょこちょこ見かけるようになった、モダマス2015の新カード《議事会の密集軍》を軸に据えた赤白トークン。

赤の除去で次々に除去された上、密集軍でライフを一気に回復されるとゴブリンはどうしようもありません。速攻あるのみです。

①Turn3:《古参兵の武具師》のせいで1/1トークンが1/2になる。

2/2で殴っても1/2にダブルブロックされて1:1交換では不満。長期戦は圧倒的に不利なので、エコーは払わず奇襲隊で速攻を仕掛けてトークン同士の相打ちを誘います。

Turn4:《戦隊の鷹》のタフネスを勘違いして《死の火花》先打ちのミスをするも、踵裂きの攻撃誘発が通り結果オーライ。

Turn6:攻撃が通りにくくなってきたので横に並べて、「攻撃が通ったゴブリンに《モグの略奪者》を全力でつぎ込んで最後の一押し」を狙います。

Turn7:相手も狙いが分かっているようで、完全にシャットアウトされる。《死の火花》を6発撃つプランに変更し、チャンプアタック。

Turn9:密集軍がつよい。

 

サイドボーディング 
OUT:死の火花2、ゴブリンの踵裂き1、鋳造所通りの住人2 
IN:炎の斬りつけ2、電謀3

「1マナ3/1バニラ」未満の鋳造所通りの住人では、急報などでアドを取られるだけ。
《古参兵の武具師》を《炎の斬りつけ》で処理してから《電謀》による一掃を狙います。

 

②Turn2:略奪者と戦争司令官はどちらから展開してもダメージは同じ。戦争司令官から展開してエコーを払った方がPIGを温存できますが、テンポよく速攻を仕掛けたかったので、次のターン「炎の斬りつけ+クリーチャー展開をしつつ最高打点」がとれる略奪者展開を選んでいます。

Turn6:相手が召集呪文を抱えている中、女看守を引く。《電謀》の事を考えて、女看守からの女看守サーチを繰り返します。それだけでも2/2が確実に攻撃に参加できるようになるのが女看守の偉いところです。

 

③火炎破と奇襲隊が絡んだブン回りが強すぎて勝ち

 

特殊な攻め筋の試合

最後に、ゴブリン独特の変な攻め方をした試合。

①対ストンピィ

Turn2:鋳造所通りの住人が手札にいるので、若き狼の不死はさっさと処理。返しの攻撃はパンプ呪文を持っていそうな動きですが、相手にパンプを使わせてテンポを奪うためにダブルブロック。

Turn4:ここまでクリーチャーが殆ど出てこなかったので、相手の手札には《地うねり》と《巨森の蔦》があると判断。8点パンプされるとライフが0になってしまうので、1/1でブロック。略奪者を残した方が格段に勝ち筋が増える事を考え、鋳造所通りでブロック。

Turn5:《稲妻》をトップし、攻撃が通ったゴブリンを強化してきれいに勝ち。この盤面での勝ち筋は《稲妻》4枚+《ゴブリンの奇襲隊》4枚+《モグの戦争司令官》2枚の合計10枚に加え、相手が《モグの略奪者》をブロックしてきた場合は《ゴブリンの付け火屋》でも勝つ事ができます。

 

②対青黒コン

Turn4:《死の火花》でチマチマ削るプラン。

Turn6:青黒コンに対しては、女看守のサーチは奇襲隊よりも戦争司令官を持ってきた方が強いケースが多いです。

Turn7:全体除去されるリスクもあるので、展開よりも《死の火花》の使い回しを重視します。

Turn8:ここは《エヴィンカーの正義》を打たれても1/1が2体残るように、戦争司令官は生け贄にしない方がよかったですね。

Turn9:何とかチマチマ削りつつ勝つ事ができました。

 

最後に

ゴブリンデッキは、細かいケアの積み重ねが勝敗に大きく影響を与えるデッキです。

負ける時は徹底的に潰され切って負ける事が多いせいでデッキパワーを過小評価されている感がありますが、実際には他のトップメタのデッキと同じくらい高いデッキパワーを持っています。

マジック・オリジンの《地底の斥候》のように便利そうな新ゴブリンが出てくるたびに、ゴブリンデッキの性能を再考しておきたいですね。

 

以上、モグの略奪者とゴブリンの女看守を使い倒そう! ゴブリンの立ち回りで考えることでした。
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。ではでは(゜-゜)

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