新カード情報

統率者(2016年版)の新カード《灰のやせ地》がPauperで使用可能に。その性能を考察!

先日11/16のメンテナンスで《流浪のドレイク》が禁止カードになると同時に、Treasure Chestに統率者(2016年版)やコンスピラシー:王位争奪のカードが追加されました。

 

参考リンク:Magic Online Treasure Chest Information

 

これにより、新たなコモンとして統率者2016の《灰のやせ地/Ash Barrens》が収録され、Pauperで使用可能となりました。

※コンスピラシー:王位争奪のコモンは未収録です。

 

ashbarrens

《灰のやせ地》は、1マナで基本土地サイクリングができるアンタップイン無色土地です。

 

1マナの基本土地サイクリングは、「1マナ分のテンポロスの代わりに好きな基本土地が手に入る」という意味で《進化する未開地》と非常によく似ています。

 

実際、《灰のやせ地》を《進化する未開地》の代わりにウィーゼロックスに入れてリーグ戦で回してきましたが、ほとんどのゲームで《進化する未開地》と変わらない使用感でした。

 

ただ、プレイングや構築に影響を与えうる細かな違いも何点か感じたので、今回は《灰のやせ地》の《進化する未開地》との違いについて考察していこうと思います。

メリット①色が足りていればアンタップインも可

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《灰のやせ地》は、ほとんどのゲームでは《進化する未開地》と同じ「1マナ分テンポロスする代わりに好きな基本土地をサーチするカード」ですが、色マナが十分足りているゲームではアンタップイン無色土地としても使うことができます。

 

そのため、中盤に《灰のやせ地》をトップデッキした場合、《進化する未開地》よりも1マナ分多いアクションをとることが可能になります。

 

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<灰のやせ地を場に出して激闘+使徒の祝福で勝ち。これが未開地だったら勝てなかったかも>

 

《払拭》《使徒の祝福》を構えながら《ニヴィックスのサイクロプス》を展開する

《チェイナーの布告》を2連発しつつ《対抗呪文》を構える

《熟考漂い》を唱え、CIPで引いた《稲妻》で除去する

など、1マナ多いアクションが取れることで一気に有利になるケースは少なくありません。

 

今まで《進化する未開地》のタップインに苦しめられてきたデッキは、《灰のやせ地》を得たことで中盤以降のテンポが改善されそうです。

 

ただ、安易にアンタップインランドとして使ってしまうと、後で《対抗呪文》を構えにくくなったり、《噴出》が使いにくくなる危険性もあるので、「アンタップインすべきかサイクリングすべきか」は慎重に判断しないといけませんね。

 

メリット②渦まく知識・思案・デルバーとの相性

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1マナの基本土地サイクリングは、《進化する未開地》と比較して「アップキープに起動してライブラリーをシャッフルする動きをとりやすい」という特徴があります。

 

これは例えば

①1ターン目に島から《渦まく知識》を唱えて、不要なカード2枚をトップに。2ターン目のアップキープに基本土地サイクリングでライブラリーをシャッフルしてドローの質を上げる

②1ターン目に島から《秘密を掘り下げる者》を出す。2ターン目のアップキープにその能力でライブラリートップを確認。不要なカードだったので、基本土地サイクリングでシャッフルする

③島を置いて《思案》を唱える。対抗呪文・島・島と見えたので、対抗呪文を一番上に置いてドロー。次のターンのアップキープに基本土地サイクリングでシャッフルする

④フルタップの返しに《騒がしいネズミ》を出される。不要なカードを一番上に置き、次のターンのアップキープに基本土地サイクリングでシャッフルする

といった動きを可能にしてくれます。

 

全体的に、ドローの質の向上に貢献してくれますね。

メリット③インスタントと一緒に構えられる

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また、基本土地サイクリングは「インスタントを構えておいて、結局マナを使わなかったら起動する」という動きが可能なのも強みです。

 

《対抗呪文》を構えておいて、相手が何もしなければ基本土地サイクリングから沼をサーチし、返しに《グルマグのアンコウ》を展開

なんて動きができるのも、《進化する未開地》にはないメリットと言えるでしょう。

 

持ってきた土地の色マナを即使える(使わざるを得ない)

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色基盤の弱いPauperの2色デッキでは、「島しか引けず、手札に黒のカードが溜まっていく」といった形のゲームになることが少なくありません。

 

こういう時に限って、《進化する未開地》をトップデッキして「結局アンコウを唱えられるのは次のターンか…」なんて苦い経験をしたことは1度や2度ではないはずです。

 

一方、《灰のやせ地》の場合はサーチしてきた基本地形を即アンタップ状態で場に出せるので、こういった盤面に遭遇したときにワンテンポ早く行動することができます。

 

ただ、これは完全なメリットというわけではなく「サーチしたい色とこのターン使いたい色マナが異なる」ケースではデメリットにもなる特徴です。

 

「1ターン目に《定業》・2ターン目に《思案》を唱えつつ、第二色をサーチしたい」

「3ターン目で場に島2枚・手札に《灰のやせ地》1枚。《対抗呪文》を構えつつ第二色をサーチしたい」

などがこれに当たります。

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基本的には「サーチしてきた基本地形を即アンタップ状態で場に出せる」メリットの方が大きいと思いますが、デッキ構成次第では《進化する未開地》のほうがキレイに動きやすいということもありえます。

 

デメリット:ワンランドキープはまず不可能

 

ここまでメリットを中心に挙げてきましたが、《進化する未開地》と比べた時のデメリットも小さくはありません。

 

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例えば、この初手。色マナがでないのでまずマリガンせざるを得ませんが、もし《灰のやせ地》が《進化する未開地》なら「若干立ち上がりは遅いものの、ギリギリキープ」できそうな初手です。

 

また、「対抗呪文2・グルマグのアンコウ1・思考掃き1・灰のやせ地2」といった初手も、色マナが1つしか手に入らないため、キープしにくいです。

 

総じて、《進化する未開地》と比較してマリガン率が上がってしまうというデメリットがあります。

 

このデメリットを重く考えるのであれば、《灰のやせ地》4枚よりも《灰のやせ地》3枚+《進化する未開地》1枚といったように枚数を散らす構築を考えた方が良いでしょう。

 

上陸や血茨との相性

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これは《灰のやせ地》のデメリットというよりも《進化する未開地》のメリットですが、上陸や《血茨》とのシナジーがない点も注意。

 

総合的に考えると、①土地が多い②アップキープシャッフルを活用できる③インスタントが多いデッキでは《灰のやせ地》のデメリットよりもメリットの方が大きく、①土地が少なめ②シャッフル活用手段がない③インスタントが少ないデッキでは《進化する未開地》の方が良いケースも多いのではないでしょうか。

 

《進化する未開地》とは一長一短の面白い土地が来たという印象です。

 

 

今後も「MOでは発売されなかったセット」の新コモンがTreasure Chestで収録されてPauperで使用可能になるパターンがあるようなので、確認次第このブログでも報告していこうかと思います。

コンスピラシーのコモンはまだ収録されてないですが、いつか収録されるのでしょうか。

POSTED COMMENT

  1. 匿名 より:

    序盤に戦場に出した灰の痩せ地を戻してシャッフル&デッキ圧縮として活用できるのでお帰りランドとも相性が良さそうです。未開地よりもデッキ圧縮を遅らせ易いので、土地を伸ばしたいコントロールと相性が良い印象です。

  2. katann より:

    まず間違いなく相性が良いデとちいと言えるのはドメインだろうと思っています。
    多めの土地を積んだデッキであり、無色土地としてプレイ後にオーラを貼って5色土地として運用できます。
    1ターン目山から密林の猿人、2ターン目森をサイクリングでサーチしてナカティル。
    1ターン目ナカティル、2ターン目灰のやせ地プレイからナイレアの存在。
    どちらも未開地では不可能なプレイで、序盤の動きだしが詰まりにくくなります。

    • 管理人 より:

      >>1さん なるほど。序盤はアンタップイン無色土地として使った後で、お帰りランドでサイクリングとかもありますね。

      >>katannさん 確かに、ナカティル+猿人と動きやすくなるのは良さそうです。不特定マナを要求するカードが多ければ、オーラを張るのを後回しにする選択肢が出てくる点でも未開地よりも優れてますね。面白そう

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