pauperカード個別考察

授与の強さを再考する。葉冠のドライアド【Pauperカード個別考察】

今回は、《葉冠のドライアド》について書いていきます。

dryads
Leafcrown Dryad / 葉冠のドライアド (1)(緑)
クリーチャー エンチャント — ニンフ(Nymph) ドライアド(Dryad)

授与(3)(緑)(このカードを授与コストで唱えた場合、これはエンチャント(クリーチャー)を持つオーラ(Aura)呪文である。クリーチャーにつけられていない場合、これは再びクリーチャーになる。)
到達
エンチャントされているクリーチャーは+2/+2の修整を受けるとともに到達を持つ。
2/2

基本情報

2マナで2/2到達か、4マナで+2/+2授与オーラとして使えるクリーチャー。

2つの使い方はどちらで使っても及第点の性能であり、コモンの授与カードの中でもかなり使いやすいカードです。

 

2マナで出したときは《秘密を掘り下げる者》や《呪文づまりのスプライト》を止められる以外はただのですが、4マナで出したときは疑似速攻クリーチャーとして使えるのが優秀。

《スカルガンの穴潜み》に授与できれば 「4マナ4/4覇権速攻到達ブロックされない」に近い性能を発揮します。

 

授与の性能のおかげでアド損しにくい上、《若き狼》《クウィリーオン・レインジャー》に付けることで戦闘時に得をしやすくなる、強力なカードです。

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<3/3到達+疑似警戒+授与により、デルバーの攻撃をがっちり止める。断絶されても大丈夫>

対フェアリー性能

《葉冠のドライアド》の優れている点として、素のスペックがフェアリーに強いことが挙げられます。

授与というメカニズムの最大の弱点は、「フェアリーに弱いこと」。

授与はその性質上コストが重くなりやすく、ある程度軽めの授与カードを選ぼうとすると必然的に点数で見たマナコストが非常に小さくなるため、せっかく重いコストを払って授与しても《呪文づまりのスプライト》に簡単に打ち消されてしまいます。

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しかし、《葉冠のドライアド》は2/2到達という基本性能が対フェアリー戦で優秀なため、その弱点をある程度克服できているんです。

対フェアリー戦では基本的に2マナ2/2到達として、それ以外の相手には4マナ+2/+2授与として使うことで、安定した強さを見せてくれます。

象の導きとの比較

《葉冠のドライアド》は「+2/+2オーラで、オーラ先が死亡した時に2/2が残る」という性能から、ヴィンテージマスターズでコモン落ちした《象の導き》と比較されやすいカードでもあります。

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ドライアドの授与と比べるとマナコストが1軽いうえ、修整値も死亡時に出てくるクリーチャーも1サイズ大きい《象の導き》の方が優れているような印象もありますが、実際に使ってみるとそうでもありません。

①対象不適正に強い

Pauperは除去が強い環境です。

《象の導き》が唱えられるようになったころには、相手も何かしらの除去を構えている事が多くなってきます。

 

緑は自分からアドバンテージを稼ぐ方法が少ないため、《象の導き》が対象不適正となりアド損すると途端に負けが濃厚になってしまいます。

 

そのため、《巨森の蔦》が引けないと対象不適正におびえながら唱えないといけない《象の導き》よりは、対象不適正に強い《葉冠のドライアド》の方が使いやすいです。

②バウンス、追放除去に強い

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Pauper環境では、《断絶》《未達への旅》といった死亡以外の除去呪文を使われる事が少なくありません。

《象の導き》はこういった除去を使われると3/3トークンが出せないため、テンポ・カードアドバンテージの両方で不利になるリスクを孕んでいます。

 

たかが2/2到達。されど2/2到達。

「その1枚のカードアドバンテージの差が勝敗を分ける」ケースは「象の導きの3/3トークンのおかげで勝てる」ケースより遥かに多く、やはりドライアドの方が使いやすく感じます。

③マナスクリュー時の保険がある

mtgは土地が4枚以上まで伸びることもあれば、2枚で止まる事も多いゲームです。

たとえ土地が3枚まで伸びてもマナ効率の良い《怨恨》や《骨断ちの矛槍》などが優先されて、中々《象の導き》を唱えられないケースも目立ちます。

 

そんな時でも、《葉冠のドライアド》は最低限2マナ2/2到達として使えるため、マナスクリューに強いんです。

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対バーンやfamiliarのように素早く勝負を決めなければならないデッキが相手の場合には、毎ターン全力でマナを使い切れるかが勝敗を分けます。

そういう意味でも、 ドライアドの「土地状況に合わせて複数の動きが可能」な性能は、勝ち筋を増やすことに繋がります。

④クリーチャーが引けない時に強い

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ストンピィと言うデッキを想定する場合に、キープ判断の上で重要なのが 「初手にクリーチャーがいるかどうか」

怨恨・巨森の蔦など強力な呪文の多いストンピィではありますが、それらはすべてクリーチャーがいて初めて強さを発揮します。

クリーチャーがいない、居ても稲妻で除去されたら終わりな初手は、やはり心許ないものです。

 

・初手のクリーチャー率や、トップ勝負で「何でもいいからクリーチャー!!」というケースで勝てる確率を高める

・「何でもいいからパンプ呪文さえ引ければ押しこめる」というケースで勝てる確率を高める

これらを両立する意味でも、葉冠のドライアドの方が強いでしょう。

注意点

plusmanas
これだけ強さを語ってきた《葉冠のドライアド》ではありますが、2マナで出すのは飽くまでもフェアリーへのメタカードとしての側面が大きく、他のデッキが相手の場合は《散弾の射手》よりはマシといった程度の強さ。

 

やはり4マナで出してこそ真価を発揮するカードなので、対フェアリー戦以外でも2マナで出す事が非常に多いのであれば、《ガラクの仲間》など他の2マナクリーチャーに変えた方が絶対に強いです。

このカードを使う時はマナ能力持ちカードやサイクリングランドを入れるなど、ある程度マナが伸びやすい構成にした方が良いと思います。

 

パッとしないようで、使ってみると意外と小回りが利く優良カードなので、Pauperで緑のデッキを組む時は是非一度採用を検討してみてください!

以上、授与の強さを再考する。葉冠のドライアド【Pauperカード個別考察】でした。参考になれば幸いです。
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。ではでは(゜-゜)

POSTED COMMENT

  1. kasiwagi より:

    いつも拝見させて頂いてます。
    自分は最近pauperをはじめたばかりで、こういうメタゲームにあったカードを紹介する考察記事は読んでて楽しいし勉強になります。
    とくにフェアリーにはボコられっぱなしなので、、、

    • Ganp より:

      自分で色々試した結果書いた考察記事を評価して頂けるのはすごく嬉しいです!
      確かに、フェアリーはpauperを始めたての方に特に強いデッキだと思います。たった1つのミスをとがめる方法に長けたデッキなので。

      メタゲームの中で特に「どう対策すれば!?」となりやすいデッキに強いカードを優先して紹介していくのもいいかもしれませんね。

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