pauper総論

占術マリガンルールが公式採用決定! 影響の大きそうなカードまとめ

本日、プロツアー「マジック・オリジン」において試験導入されていた新マリガン・ルールが公式採用されることが発表されました。

「全プレイヤーがマリガンチェックを終えてキープした後、開始プレイヤーからターン順に、開始時の手札が初期手札枚数より少ないプレイヤーはそれぞれ占術1を行なってもよい。」

 

①1回以上マリガンをしたプレイヤーは、先攻プレイヤーのターンが始まる前に占術1できる

②マリガンによる占術1ができるのはキープをした後。ダブルマリガンをするか判断する時に占術1する事はできない

③何回マリガンしたとしても、できるのは占術1。数字が増える事は無い

④両者が1回以上マリガンしていた場合は、先攻のプレイヤーから順に占術1を行う

 

参考リンク:『戦乱のゼンディカー』プレリリースからの新マリガン・ルール

今回は、Pauperにおける占術マリガンルール導入による影響が大きそうなカードを見ていきます。

パターン1:マリガン率が高く、占術1の恩恵を受ける回数が多い

欄干のスパイ

thespy

マリガンを1度でもしたらゲーム開始前に占術1ができることは、全てのデッキに大きな利益をもたらしますが、その中でも特に恩恵が大きいのが《欄干のスパイ》を利用した超コンボ特化デッキのThe Spy

 

「3種類のパーツの内、2種類が初手にあるか」がキープ基準となりやすくマリガン率が高いこのデッキでは、占術1を行う試合自体が多いため、その分多くの恩恵を受けることとなります。

 

また、「不要なカードを引いてしまったらそのターンできるアクションがほぼない」デッキでもあるため、占術1でカードを下に送る行為が実質1ターン分の猶予を得る効果があるのが大きいです。

 

パターン2:「欲しいカードでなければ下に送る」ことが追加のメリットをもたらす(先攻のみ)

占術1で「欲しくないカードを下に送れる」ことは全てのデッキにメリットがありますが、「1ターン目~2ターン目のアップキープ時に、ライブラリーのトップが特定のカードだと強くなる」カードを採用していると、先攻時にさらなる恩恵を受けることができます。

①秘密を掘り下げる者

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まず第一に「マリガンを1回以上した先攻プレイヤーが1ターン目に出した《秘密を掘り下げる者》の変身ターン」が早まります。

 

例えば、1マリガン後の6枚の初手をキープし、占術1を行った場合。

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もし、占術1でパターンAのように《島》が見えた場合、それを下に送る事でマナフラッドリスクを減らすと同時に《秘密を掘り下げる者》が変身するターンを実質1ターン早めることができます。

逆にパターンBのように《定業》が見えた場合には、それを一番上に置けばそのまま2ターン目に《秘密を掘り下げる者》が変身。総合的に見て、より最適な動きができる確率が高まります。

 

特に青単フェアリーのようなデッキの場合、2ターン目は《対抗呪文》構えが優先されて《思案》によるライブラリー操作が3ターン目以降になることも考えると、先攻1ターン目に出した《秘密を掘り下げる者》の変身ターンが早まる恩恵は大きいですよね。

 

ただ、この恩恵をうけるのは「マリガンをした先攻プレイヤー」のみであり、わざわざこれを狙うためにマリガンをするほどの強さはない事を考えると、「《秘密を掘り下げる者》を入れると先攻でマリガンしたときの損失をカバーできる」と捉えるべきでしょうか。

 

②思考掃き

reani
第二に、マリガンを1回以上した先攻プレイヤーは「占術1で墓地に落としたいカードが見えたら上に置く」「そうでないなら下に置く」ことで、1ターン目の《思考掃き》お目当てのカードを墓地に落とせる確率が高まります。

 

たとえば、《死体発掘》でクリーチャーを釣り上げるデッキを組む場合、1ターン目の《思考掃き》《ウラモグの破壊者》《ドラゴンの息》といったカードを墓地に落とせる確率があがることは大きなメリットです。

 

そうでなくても《熟慮》《綿密な分析》といったフラッシュバック呪文を落とせる確率が上がるだけでも、マリガン分の損失をカバーする十分なメリットとなります。

 

他にも、ぶん回り系のデッキと当たった場合には「相手がマリガンによる占術1でトップにカードを置いた」時に、相手のライブラリーを削ってプランを崩すプレイングも考えられるでしょう。

 

パターン3:「欲しいカードなら上に置く」ことが追加のメリットをもたらす(先攻のみ)

古きものの活性・自然との融和

reveals
従来のルールでは、たとえゲーム開始時にライブラリーの一番上にお目当てのカードがあったとしても、それを知るすべはありませんでした。

そのため、先攻1ターン目に《古きものの活性》《自然との融和》を使ってしまい、「どうせ次のターンに引けたのにわざわざサーチしてしまった…」となることがありました。

 

プレイング上仕方がないこととはいえ、たまに歯がゆい思いをすることもあったはずです。

 

その歯がゆい気持ちをある程度解消してくれるのが、今回の占術マリガン。

今回のルール変更による占術1でライブラリーの一番上にお目当てのカードがあることを確認できれば、他にすることがなくてもあえて《古きものの活性》を温存するというプレイングができるようになります。

 

先攻でマリガンした際に、占術1でお目当てのカードが見えてトップに置いた場合には、あえて《古きものの活性》《自然との融和》を1ターン温存することによって、マリガン分の損失をカバーする質の高い手札を確保したいところです。

 

パターン4:「欲しいカードなら上に置く」メリットを打ち消してしまう(先攻のみ)

ここまでは占術1がメリットになるカードばかりを挙げてきましたが、相対的にデメリットになるカードもあります。

進化する未開地・広漠なる変幻地

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ゲーム開始時の占術1により、Pauperの大抵のデッキはマリガンをした際の第一ドローの質が従来より向上します。

 

その一方で、マリガンをしても先攻時は第一ドローの質が向上しにくいデッキもあります。

それが《進化する未開地》を多く採用しているデッキ。多色の重低速コントロールやドメインZooなどがこれに当たります。

 

これらのデッキはテンポの関係上1ターン目に《進化する未開地》でライブラリーをシャッフルすることが多いため、先攻だと「マリガンをした際の第一ドローの質の向上」という恩恵を受けにくくなってしまいます。

 

「そんなの今までと同じなだけでしょ?」と思うかもしれませんが、今回の変更により対戦相手の平均的な初手の質も高まるわけですから、「今までと同じにしかならない」ことは軽視できません。

 

細かい差ではありますが、コントロールデッキを組む際の《進化する未開地》と2色地形の割合に若干の変更をもたらす可能性があるポイントです。

速攻デッキとコンボに大きなメリット

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今回の変更で、「特定の2枚のカードが揃えば勝てる」コンボデッキと「マリガンしても土地が2~3枚で残り全部スペルならゴリ押して勝てる」速攻デッキが相対的に強化されそうですね。

マリガン基準やデッキ構築の仕方にも新たな発想が生まれるかもしれません。

 

実際に回してみると大した変化ではなかったという可能性もありますが、「せっかく占術マリガンルールになったんだし」ということで、新ルール導入後数週間は尖ったデッキの比率が高まるのではないでしょうか。

 

新ルールが導入される「戦乱のゼンディカーのプレリリース」がよりいっそう待ち遠しくなってきました。

紙での施行は9月26日から、MOでの施行は10月9日からです。

 

以上、占術マリガンルールが公式採用決定! 影響の大きそうなカードまとめでした。参考になれば幸いです。最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。ではでは(゜-゜)

POSTED COMMENT

  1. 匿名 より:

    毎度のことながら、戦略記事がしっかりしてますね。
    海外記事にも引けを取らないスピードとクオリティでとても勉強になります。

    • Ganp より:

      ありがとうございます!単純な性格なもので、褒められるとモチベ上がります(笑

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