3月22日にモダンマスターズ2017年版の新コモンが使えるようになると同時に、イベントの賞品である Treasure Chest に『コンスピラシー:王位争奪』の新カードが一部収録されることが発表されました。
参考リンク:Modern Masters 2017 Edition Events and Constructed Event Changes
レア・アンコモンの統治者関連カードが多数収録されるなか、コモンからも「あなたが統治者になる」を持つクリーチャーが2種類収録されることに。
統治者とは、「自分の終了ステップの度にカードを1枚引ける」という莫大なアドバンテージが手に入る代わりに、相手クリーチャーから戦闘ダメージを受けると統治者の権利が奪われてしまうリスクを負う、という能力です。
Pauperでは継続的にアドバンテージを取れるカードが珍しく、リーグにおいても「《深き刻の忍者》が除去されなければそのまま勝ち」というゲームもあるほどに、「毎ターン追加でカードを1枚引ける」というのはそれだけでゲームを決めてしまいかねません。
既存のカードについても「統治者を維持できるから強い」「統治者を奪い取れるから強い」という新たな評価基準を追加しうる強力な能力です。
白の統治者カード
白の統治者カードは、4マナ2/4の《宮殿の歩哨》。
Pauperに多く存在する2/2を止めて、相手の《稲妻》でも除去されない2/4というサイズが優秀です。
戦闘ダメージさえ受けなければ統治者は奪われないので、《聖なる日》などを大量に積んだターボフォグとの相性が抜群。
豊富な除去と飛行クリーチャー・《カルドーサの再誕》のおかげで、統治者を維持・奪還しやすいボロスキティ系のデッキにも居場所がありそうです。
普通の白単アグロにおいても、ウルザトロンや赤単バーンのようにあまり戦闘ダメージを与えてこないデッキ用のサイドとしても活躍してくれそうですね。
シナジーの多い人間・兵士というのも高評価。
《玉座警備兵》は単体ではただの2マナ2/2。そもそも統治者を維持できれば圧倒的に有利なので、「統治者を維持できた場合のボーナスを増やす」よりは「統治者を維持しやすくする・奪い返しやすくする」カードを優先した方が良いでしょう。
黒の統治者カード
黒の統治者カードは、4マナ1/3接死の《黒薔薇の棘》。
統治者を奪うための殴りあいが始まると接死が活きてくる、というデザイン。
消耗戦の末に場に出して、相手の最後のクリーチャーと相打ちする展開が理想的です。
こちらも黒単コントロールが苦手なウルザトロン対策としてサイドに積むことになるかと思います。
メインから採用する場合は「《稲妻》で除去されてしまうタフネス3」「飛行クリーチャーとの殴り合いでクロック負けしやすいパワー1」が気になるので、除去を厚めに構築したいところ。
統治者の奪い合い
統治者カードが戦場に出た後は、ゲームが「ライフとアドバンテージの駆け引き」から「統治者の奪い合い」に変わります。
統治者を活かすなら、《熟考漂い》のように回避能力を持つ上に後続を引き連れてくるクリーチャーや《怨恨》のように戦闘ダメージを与えやすくするカードへの対策を考える必要がありますね。
相手の第二メインに自分の統治者クリーチャーをブリンクして、カードを引かれる前に統治者を再奪還するプレイングも出てくるのではないでしょうか。
今までPauperには無かった「毎ターンドロー」の権利を奪い合う統治者能力。モダンマスターズ2017の新カードとともに、環境にどんな影響をもたらすのか、楽しみです。
待望の統治者! 赤と緑の統治者も早く来てほしいですね。
直接除去できない強力なアドバンテージ源ではあるものの、軽くないコストと相手に奪われるリスクという欠点もついてくるのが面白そうです