米時間3/2、タルキール龍紀伝の公式プレビューが開始。そのメカニズムが公開されました。
参考リンク:『タルキール龍紀伝』のメカニズム/マジック:ザ・ギャザリング 日本語版
タルキール覇王譚・運命再編に存在した氏族からそれぞれ1色が抜けた5つの友好色氏族に与えられた計5つの能力と、変異の上位種のような効果を持つ「大変異」が取り上げられています。
ドロモカ(緑白):鼓舞
アブザンから黒が抜けたドロモカ(緑白)には、「鼓舞」が続投。
「鼓舞Nを行う」は、「自分のクリーチャーの中で最もタフネスが小さいクリーチャー1体の上に+1/+1カウンターをN個置く」を意味しています。
《砂造形の魔道士》は3マナ2/2、場に出たときに鼓舞1を行うクリーチャー。
運命再編のコモンの鼓舞はどれも使い勝手に癖がありましたが、これは単体でも3マナ3/3と使いやすそうです。
《アイノクの盟族》のように、+1/+1カウンターシナジーのあるカードと組ませたいですね。
Pauperでワンサイズ上がる恩恵は大きく、鼓舞は対象を取らない強化手段なのが魅力的です。
オジュタイ(白青):反復
ジェスカイから赤が抜けたオジュタイ(白青)には、キーワード能力「反復」が再録。
反復を持つインスタント・ソーサリーは、手札から唱えて解決するときに追放され、次のアップキープ開始時にマナコストを払うことなくもう一度唱えることができます。
過去の反復もちコモンは《よろめきショック》と《ひずみの一撃》の2枚のみですが、どちらもトーナメント実績のあるカード。
果敢などとも相性が良く、新反復コモンにも期待が高まります。
《オジュタイの召喚》は、5マナで2/2飛行トークンを戦場に出す反復付きのソーサリー。
単純に考えて5マナで2/2飛行が2体と、青のコモン・トークン生成呪文としては高性能なカードです。
ただ、普通に使う分には大抵《熟考漂い》のほうが強いので、ソーサリーなこと・反復もちであること・1枚で4点クロックになることを活かしたいところ。
現状では、ニヴィックスコントロールのようなデッキでの採用や、5枚目の《熟考漂い》としての採用が検討できますね。
シルムガル(青黒):濫用
スゥルタイから緑が抜けたシルムガル(青黒)に与えられたのは、キーワード能力「濫用」。
「このクリーチャーが戦場に出たとき、あなたはクリーチャーを1体生け贄に捧げてもよい」という能力です。
濫用を持つクリーチャーは「これが濫用したとき~」という能力をもち、何らかの恩恵を受けられるようデザインされています。
生け贄は任意である上に自身を生け贄にすることでソーサリー呪文のようにも使える、使い勝手の良い能力です。
《シルムガルの解体者》は5マナ3/3。濫用時に対象のクリーチャーに-3/-3修整を与えます。
5マナなら基本的には《捕食の夜魔》の方が使い勝手は上なので、《スゥルタイの使者》のように死亡することがメリットになるカードと組ませたいところ。
濫用は蘇生のようにコストに回しやすいカードとも相性が良く、リミテッドでは弱くても構築では強くしやすいデザインなので、軽い濫用持ちクリーチャーに期待!
コラガン(黒赤):疾駆
マルドゥから白が抜けたコラガン(黒赤)の能力は、「疾駆」が続投。
その呪文を疾駆コストで唱えることを許可する能力で、疾駆コストで唱えられたクリーチャーは「速攻を得るとともに、そのターンの終わりに手札に戻る」ようになります。
《疾走する戦暴者》は、5マナ5/4・疾駆コストが4マナのクリーチャー。
《稲妻》で死なないタフネス4と疾駆の相性が良く、「毎ターン可能なら攻撃する」というデメリットも「疾駆で出す=攻撃する」ことを考えると殆ど気にならないでしょう。
アンコモンの《ヴィーアシーノの殺し屋》のほぼ上位互換であり、レアの《大翼のドラゴン》と比較しても4回殴れば勝てるパワー5が魅力的。
これがコモン、すなわちPauperで使えるのだから驚きです。
純正の赤単バーンでは少し重いかもしれませんが、《宝船の巡航》を入れた赤青バーンコントロールのように土地がある程度伸びるデッキでは「繰り返し使える4マナ5点火力」として重宝すると思います。
アタルカ(赤緑):圧倒
ティムールから青が抜けたアタルカ(赤緑)に与えられたのは、能力語「圧倒」。
「自軍のクリーチャーのパワーの合計が8以上のとき」に何らかの恩恵を受けられる能力です。
①負の値のパワーは、0ではなくマイナスの値のまま合計されてしまう点
②起動型能力の「圧倒」は起動時にのみチェックし、誘発型能力の「圧倒」は誘発時と解決時の2回チェックする点
に注意が必要です。
《突進する大鹿の群れ》は、5マナ5/5・攻撃時に圧倒を達成していると自軍全体にトランプルを与えるクリーチャー。
全体トランプルが活きるのはパワーの高い生物が並んでいる時なので、あとパワーが3あれば誘発する「圧倒」と噛み合っています。
全体トランプルを活かせる構築で5マナを出すのは難しそうですが、パワー2以上のマナクリが多いデッキなら採用候補に挙がるかもしれません。
構築では達成条件を満たすのが難しいので、「普通に使うと弱いが、圧倒時に滅茶苦茶強い」デザインより「普通に使っても及第点以上、圧倒時にすごく強い」デザインの方が嬉しいですね。
大変異
タルキール龍紀伝の変異は、今までと一味違います。
その名も「Megamorph」。
ハンバーガーも、モンスターの進化も、ディスカウントストアも全てメガの時代。
MTGも乗り遅れまいとメガの時代に突入したようです。
基本的な挙動は「変異」と同じで、「大変異」で表向きになった場合には+1/+1カウンターが1個置かれます。メガと言う割にはショボイ
カウンターが置かれるのは変異タイミングのため、割り込む隙はありません。さすがメガですね!
《高楼の弓使い》は4マナ3/4到達、大変異コストが6マナのクリーチャーです。
変異システムの根本的な弱点である「まず無色3マナで2/2バニラを出さなければならない」という弱点は克服されていないので、これだけでは構築での出番はなさそう。
でも、そこはメガの見せ所。
きっと、「これの上に+1/+1カウンターがある限り呪禁を得る」といったように、とんでもない能力を持ったメガが来るはずです。そう、神話レアならね
_________
運命再編発売から一ヶ月と少し、早くもタルキール龍紀伝のプレビューウィークに突入しました!
個人的には反復の再録が凄く嬉しい。
《疾走する戦暴者》も良いカードですね。またまた赤単のバリエーションが増えそうです。
以上、公式プレビューウィークがスタート!! そのメカニズムとコモンをサクっと考察でした。参考になれば幸いです。
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。ではでは(゜-゜)