マジック・オリジンの新コモン、3マナで2ドローするインスタントの《工匠の天啓》。
《対抗呪文》や《苦悶のねじれ》など強力なインスタント呪文の多いPauperではインスタントのドローである意味が大きく、「相手がメインに動けば対抗呪文で打ち消し、動かなければ工匠の天啓でアドを取る」動きが強力なカードです。
一方Pauperには既に《熟慮》が存在し、主に青系コントロールで活躍しています。
インスタントタイミングでアドバンテージを稼ぐ、という意味で二つは同じ役割をもっていますが《工匠の天啓》は「アーティファクト土地を積む必要がある」・《熟慮》は「合計5マナも払う必要がある」など、どちらも一長一短の性能です。
今回は、この《工匠の天啓》と《熟慮》の2つの性能を比較してみていきます。
①天啓の方がより早く除去を引ける
青系のコントロールを使っていて困るのが、序盤の除去。
アドバンテージソースと打ち消し呪文に多くのスペースを割いている青系コントロールは、「序盤に除去が引けず、打ち消しそこねたクリーチャーに殴り倒される」ことがあります。
そこで重要になって来るのが、「より少ないマナで、より深くライブラリーを掘り進める」こと。
《定業》のように少ないマナで深くライブラリーを掘り進めれば、それだけ序盤の除去が厚くなり、生存率が上がります。
《熟慮》で2ドローするのに必要なマナは5マナ
《工匠の天啓》で2ドローするのに必要なマナは3マナ
《工匠の天啓》の方がワンテンポ早くライブラリーを掘り進められるため、より早く除去を引き込むことができます。
②天啓は2ドローした上で探査のコストに出来る
墓地に落ちた《熟慮》を探査のコストとして追放するケースはそう多くありません。
《熟慮》はフラッシュバックして初めて強力なカード。
いくら《グルマグのアンコウ》のためでも、アドバンテージを得る機会を失ってまで探査のコストにあてるのは気が引けます。
青黒を使っていて「墓地の熟慮を追放すれば対抗呪文を構えながらアンコウを展開できるけど、勿体ないな…」と感じたことのある方も多いのではないでしょうか。
一方、《工匠の天啓》は3マナで唱えた時点でアドが取れており、墓地におちた天啓を気軽に探査のコストにあてることが可能。
そのため、《工匠の天啓》の方がアドバンテージとテンポを両立させた展開がしやすくなっています。
③熟慮は墓地に落とす価値がある
《熟慮》の強みは、どんな形でも墓地に落ちればフラッシュバックでアドバンテージがとれること。
デッキに積んだ時点で、《思考掃き》のようにライブラリーから直接墓地にカードを送る呪文の性能を底上げしてくれます。
こういった「ライブラリーから直接墓地にカードを送る手段が多い」デッキでは《熟慮》の方が強そうです。
④土地との兼ね合い
何十戦か戦ってみたところ、《工匠の天啓》はアーティファクト土地を8枚積めば大抵アドバンテージを取る事ができましたが、4枚積みではカードを捨てないといけない事も少なくありませんでした。
例えば青黒アンコウはアンタップインする黒マナ土地を2枚しか採用していませんし、《進化する未開地》のことも考えると《工匠の天啓》のためにアーティファクト土地を8枚積むのは難しいのではないでしょうか。
また、《熟慮》は土地が2枚で止まってしまったときでも最悪1ドローとして使って土地を引きに行ける点も見逃せません。
バウンスランドのように1枚で2マナ出せる土地を採用して、3マナに到達しやすいデッキの方が《工匠の天啓》は使いやすいでしょう。
神秘の指導コントロール
以上を考えると《工匠の天啓》は青黒アンコウよりも青黒《神秘の指導》コントロール寄りのカードと言えます。
序盤だとディスカードしてしまう恐れがある点も、裏を返せば序盤から《グルマグのアンコウ》を出す手助けになるので悪くありません。
サンプルリスト
4:《ディミーアの水路/Dimir Aqueduct》 4:《陰鬱な僻地/Dismal Backwater》 5:《島/Island》 4:《教議会の座席/Seat of the Synod》 4:《囁きの大霊堂/Vault of Whispers》 -Lands(21)- |
4:《定業/Preordain》 4:《対抗呪文/Counterspell》 4:《工匠の天啓/Artificer’s Epiphany》 3:《本質の散乱/Essence Scatter》 2:《見栄え損ない/Disfigure》 4:《悪魔の布告/Diabolic Edict》 1:《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》 1:《残響する衰微/Echoing Decay》 1:《夜の犠牲/Victim of Night》 1:《剥奪/Deprive》 1:《苦悶のねじれ/Agony Warp》 3:《神秘の指導/Mystical Teachings》 2:《清純のタリスマン/Pristine Talisman》 1:《転覆/Capsize》 -Other Spells(32)- |
3:《グルマグのアンコウ/Gurmag Angler》 4:《海門の神官/Sea Gate Oracle》 -Creatures(7)- |
3:《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb》 2:《チェイナーの布告/Chainer’s Edict》 1:《払拭/Dispel》 1:《否認/Negate》 4:《血まみれの書の呪い/Curse of the Bloody Tome》 1:《神秘の指導/Mystical Teachings》 3:《エヴィンカーの正義/Evincar’s Justice》 -Sideboard(15)- |
対戦動画
速攻デッキと戦う時の綱渡り感、けっこう好きです。
既に3-1入賞されている工匠の天啓入りリストもあるので、そちらもどうぞ。
以上、工匠の天啓は熟慮より強い?弱い?でした。参考になれば幸いです。最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。ではでは(゜-゜)