本日、モダンマスターズ2017年版のフルスポイラーが公開されました。
モダンマスターズ2017年版公式スポイラー/カードギャラリー
コモン落ちカードによって、Pauper環境はどんな変化を見せるのか。今から楽しみです。
<コモンにも奇跡が>
コモン落ちになったカード
《優雅な猶予》:インスタントになった《蘇生の天使》。
《蘇生の天使》と比較すると、①先置き出来ない②対象に取ったのに対応して除去されるリスクがあるのが欠点。
ただ、《蘇生の天使》自体が軸になりうるカードなので、5枚目以降の《蘇生の天使》として採用が検討できます。
《落とし穴の罠》:飛行を持たない攻撃クリーチャー限定の除去。
元々の対象が狭く、1マナで唱えようと思ったらさらに使えるタイミングが限られます。
《ボーラスの占い師》:《海門の神官》と同じく、アドを稼ぎつつ1/3という優れたサイズで盤面を固めてくれる壁役。
能力が外れる確率は「24枚で約20%・28枚で約15%・30枚で約12%」となります。
個人的に《海門の神官》の一番強いところは「《熟考漂い》や2枚目の《海門の神官》につながり、それらがさらに次の《熟考漂い》達につながることでアドが連鎖するうえ、それだけで十分なクロックも確保できる点」にあると考えているので、使い勝手はかなり別物だと思っています。
一方、《熟考漂い》を採用しにくい《エヴィンカーの正義》デッキでは3枚も掘れる点が高評価。
これで時間をかせぎつつ《エヴィンカーの正義》を探しに行く動きは、今後出てくるであろう《炎樹族の使者》入り速攻デッキへの強烈なメタとして機能してくれそうです。
できれば、能力が外れても「2ターン目からブロッカーを立てられて、コンボカードまで3枚分近づいたからよし」と割り切れるようなデッキで使いたいところ。
《幻影の掌握》:タイムデストラクション系のバウンス。
かなり重いとはいえ、表裏ともにシングルシンボルで済むのでウルザトロンなら1枚くらいは候補にあがるかもしれません。
ビート相手だと序盤に打ちにくく、コントロール相手だとCIP持ちに打ちにくいので扱いが難しいですね。
《二人組の見張り番》:結魂すると両方に《好奇心》。
戦闘ダメージに限定されておらず、オーラと違ってアド損しないので、《熱錬金術師》やティムの多いデッキで活躍してくれます。
発生源が場を離れる直前の時点で結魂してさえいればいいので、《墓所のネズミ》のX=1連打でもアドが取れます。
(※場を離れる直前を参照して恩恵を受けられるのは「接死・絆魂」のような常在型能力であり、見張り番の能力は誘発型能力なので、正しくは「ダメージを与える能力の解決時点で場にいなければ誘発しない」でした。お詫びして訂正いたします)
《居すくみ》:相手限定の-1/-1修整インスタント。
《減縮》と比較すると、インスタントである点と自分がタフネス1を多用するデッキでも使える点が強み。
タフネス1を多く採用した黒単ウィニーなどがフェアリー対策を考えるときは、こちらが優先されるのではないでしょうか。
《ファルケンラスの貴族》:2/2飛行はおまけ。本体は《血の芸術家》能力のほう。
これを出した後は、ひたすらクリーチャーを生け贄にしているだけで勝てるようになるのが強力です。
サクリファイスシナジーデッキが本気を出してきそうですね。
《かじりつくゾンビ》:2マナ1/3というブロッカー性能・ゾンビであること・生け贄能力とどれも悪くない性能なのですが、もう一声欲しいクリーチャー。
もともとゾンビデッキはマナ不足に陥りやすいだけに、起動に2マナかかるのが課題になりそうです。
《グリクシスの奴隷使い》:6マナ4/4。戦場を離れると2/2生成。
蘇生で4点パンチを入れつつ2/2を生成できるのが強いですが、さすがに本体が重すぎるか。
「戦場を離れたときにトークン生成」でコンボを狙うにしても《木立を歩むもの》というライバルがいるのが気になります。
それでも、墓地を肥やすメリットとしては中々の性能。
《葬儀甲虫》:誰かがクリーチャーを生け贄にするたびにどんどん成長する1マナ1/1。
《チェイナーの布告》で相手クリーチャーを除去しつつ1マナ2/2の時点でも中々ですが、やはり《屍肉喰らい》や《臓物の予見者》と絡めて1マナ3/3以上として使いたいところ。
コンボパーツのどれを除去されても《発掘》で即盤面に戻せるのが嬉しいですね。
青をタッチして《熟考漂い》…は欲張り過ぎでしょうか。
《マグマの噴流》:赤単待望の占術2つき火力。
赤単は《火炎破》や《ゴブリンの奇襲隊》といった一部のカードを引けるかどうかで勝率がグッと変わって来るので、ドロー操作は本当に便利です。
できる限りクリーチャー除去として使いたいだけに、メタにタフネス3が増えてくるとパワー不足感が出てきますね。
《焼け焦げたルサルカ》:最後の一押しを支援してくれる優良1マナクリーチャー。
《ゴブリンのそり乗り》達と比較するとマナがかかる点と《電謀》耐性を付けられない点が大きなデメリットですが、ゴブリンに限定されておらず、守りに回りながらでもダメージを与えられるのがメリット。
《災いの悪魔》:蘇生前提で使えば、全体強化つきの3マナ4/3歩く火力と破格の性能。
《信仰無き物あさり》で《日を浴びるルートワラ》とこれを捨てて、《炎樹族の使者》を並べた次のターンに蘇生起動というのが鉄板の勝ちパターンでしょうか。
《轟く怒り》:コモンの奇跡。
バーンでは1マナ5点火力は喉から手が出るほど欲しいですが、「初手にあるとほぼ確実に腐るリスク」を負う事になります。
すでに赤単バーンは打ち消しさえされなければ20点を楽に削り切れるだけのポテンシャルはあるので、リスクを負ってまで5点火力を積むのなら、いっそ大きく構成を変えた方が良いでしょう。
《傲慢な新生子》であれば、「引いてしまった《轟く怒り》の処理」と「相手ターンにも奇跡チャンスが得られる」という2つの面で高相性ですし、マッドネスバーンなら居場所がありそうです。
《渦まく知識》とも相性が良いのですが、これとデルバーだけのためにPauperで力不足感のある《渦まく知識》を採用すべきかは難しいところ。
青赤コントロールでは、《グルマグのアンコウ》を除去できる点を評価して1枚積まれそうです。
《騒がしいネズミ》との友情コンボを見てみたいですね。
《生き返り》:緑のカード限定の回収ソーサリー。
土地を回収できないのが地味に痛いです。あと1マナ足せば《ムラーサの胎動》というテンポ損分をライフアドで補完してくれる回収カードがあるだけに、どんなデッキで使うべきか迷いどころ。
《スライム成形》:点数で見たマナコストが1のフィニッシャーになりうるソーサリー。
点数で見たマナコストが1のソーサリー限定のサーチが出てきたら或いは。
《議事会の召集》:2マナで3/3トークン生成。
緑白では《クァーサルの群れ魔導士》の壁が厚いか。
《ディンローヴァの恐怖》:《はね返り》付きの6マナ4/4。
相手の手札がなければ擬似万能除去になります。
入るとしたら青黒リアニメイトあたりでしょうか。
《地上の突撃》:コントロールする土地が増えれば射程が伸びるクリーチャー限定火力。
除去がそこまで強くなかった当時のスタンダードでも使われなかっただけに、除去の強いPauperでは難しそうです。
多くの場合、氷雪土地+《雪崩し》で足りると思います。
《とげの道化》:2マナ3/1速攻。
《亜神の拳》や《ジャンドの斬刃》を積んだラクドスアグロの新たな仲間。やはりタフネス1が気になります。
《炎樹族の使者》:2ターン目に実質0マナで出せる2/2。
《フェアリーの大群》たちと違ってコンボでの悪用は厳しそうですが、アグロでの性能ははるかに上。
タフネスが2あるので、《カルドーサの再誕》や《電謀》でも対処が難しく、コントロールはデッキ構成の再編を求められるでしょう。
赤単・緑単はもちろん、赤緑はテンポ・色マナ安定の2つの面で展開が良くなるので、今後トーナメントでも見かけることが多くなってくるのではないでしょうか。
《オルゾヴァの贈り物》:3マナで+1/+1修整・飛行・絆魂によりライフレースを一気に有利にするオーラ。
《夜空のミミック》のトリガーとしても使えます。
白単なら《剃刀のゴーレム》・黒単なら《グルマグのアンコウ》に張ればライフレースが崩壊するので、バーンやストンピィ対策としてサイドボードに積まれそうですね。
アンチ《炎樹族の使者》としてオススメです。
赤と緑は《炎樹族の使者》という超速攻用クリーチャーを得て
白と黒は速攻デッキへのアンチカードである《オルゾヴァの贈り物》を得て
青は低速コントロールご用達の《ボーラスの占い師》を得た
どの色も良いカードを手に入れていて、「特殊セットはPauperも意識して作っている」という発言の本気さが伝わってきますね。
正直、今後の特殊セットへの期待もすごく上がってます。