米時間8/31、タルキール覇王譚のメカニズムが公開されました。
参考リンク:『タルキール覇王譚』のメカニズム|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式
各氏族それぞれに与えられた計5つの能力と、時のらせんブロックから8年・オンスロートブロックからは実に12年ぶりに帰ってきた能力である変異について取り上げられています。
長久(Outlast)
アブザン(白黒緑)に与えられたのはキーワード能力「長久」。
「特定量のマナ+タップにより、自身の上に+1/+1カウンターを1個置く」を意味しています。
この手のキーワード能力にしては珍しく、ソーサリータイミングでしか起動することができません。
《アイノクの盟族》は長久(1)(W)を持っており、「マナと時間さえかければ単体で4/3以上にさえ成長できる2マナクリーチャー」なのが対パーミッション戦において評価が高いです。
+1/+1カウンターが置かれている自分のクリーチャーすべてに先制攻撃を与える能力を持っており、解鎖のように簡単に+1/+1カウンターを載せられるクリーチャーと相性が良いですね。
ただ、あまりこの能力を当てにして攻めすぎると、総攻撃に対応して《アイノクの盟族》を除去された場合に返り討ちに逢う恐れもあります。
《心優しきボディーガード》で除去を回避できるようにしておけば、長久能力・先制攻撃付与能力ともに使いやすくなるでしょう。
果敢(Prowess)
ジェスカイ(青赤白)に与えられたのはキーワード能力「果敢」。
「クリーチャーでない呪文を唱えるたびにターン終了時まで+1/+1の修整を受ける」という能力です。
《ジェスカイの風物見》は3マナ2/1飛行果敢。シンプルながら、中々優秀なクリーチャーです。
ただ、果敢という能力の性質上、唱えるタイミングが相手に左右されてしまう打ち消し呪文とは相性が悪く、青が最も得意とするクロックパーミッション戦略とは噛み合いません。
このカードが真価を発揮するのは、恐らく無限コンボ系のデッキ。
クリーチャーでない呪文なら何でも良いという誘発範囲の広さを活かし、何らかの呪文を無限回唱えることができれば、「∞/∞の飛行クリーチャー」となる事ができます。
コンボパーツを探すための《思案》・《定業》でもサイズが大きくなるので、普通に戦ってもそれなりに強いクリーチャーとして活躍してくれそうです。
探査(Delve)
スゥルタイ(黒緑青)に与えられたのはキーワード能力「探査」。
これは、呪文を唱える段階で墓地のカードを追放することで、追放したカード1枚につき(1)支払う事ができるという能力です。
たとえば《よろめく従者》であれば、墓地のカードを4枚追放すれば(3)(B)・7枚追放すれば(B)で唱える事ができます。
探査自体Pauperでも凄く強い能力なのですが、この《よろめく従者》はさらに3/5接死という性能がPauper環境に非常に噛み合っています。
過去に取り上げたとおりタフネス5は除去されにくく、クリーチャータイプがゾンビなため《夜の犠牲》すら効きません。
参考リンク Pauperの壁、タフネスの壁
そして、接死のおかげで《尖塔のゴーレム》・《アスフォデルの灰色商人》・《マイアの処罰者》を一方的に倒せてしまいます。
これが今ならたったの1マナ!お安い!
・探査という能力の性質上、何度も唱えにくいせいでバウンス・打ち消しに弱い事
・《よろめく従者》を除去できる数少ない呪文を打ち消してしまえば、もう除去されなくなる事
を考えると、青黒コンに1枚挿しして《対抗呪文》を構えながら展開するのが強そうですね。
強襲(Raid)
マルドゥ(赤白黒)に与えられたのは、能力語「強襲」。
強襲という文言自体は何の効果ももたらしませんが、「そのカードが場に出たとき、このターンあなたがクリーチャーで攻撃していた場合~」という共通する効果を強調しています。
《マルドゥの戦叫び》は4マナ3/3、強襲でマナプールに(R)(W)(B)を加えます。
強襲すれば実質1マナ3/3として場に出せるのは面白いですが、流石に素のマナコストが4マナというのはPauper環境ではちょっと重い…
昨日紹介した「強襲で対戦相手1人にカードを1枚捨てさせる」黒の2マナ2/1のように、軽くて使いやすい強襲もいるので今後出てくるカードに期待したいです。
獰猛(ferocious)
ティムール(緑青赤)に与えられたのは、能力語「獰猛」。
強襲同様、この文言自体には効果はありませんが、「あなたがパワー4以上のクリーチャーをコントロールしている場合~」という効果を強調しています。
獰猛はまだコモンが公開されていないので考察はできませんが、パワー4以上というのは《怨恨》・《骨断ちの矛槍》を使えば比較的安定して達成可能なラインではあります。
この能力が活躍するかは、《荒野の後継者》のように自身のパワーが2以上ある獰猛持ちクリーチャーの性能に掛かっていますね。
変異
最後は変異。
無色3マナで裏面場に出して2/2として扱い、特定のコストを払う事で表向きにできる能力です。
変異は「裏側で出すのにまず無色3マナ必要」というのがネックで、軽いカードが主流のPauper環境では殆ど使われていません。
《アブザンの先達》も例にもれず、その重いコストは中々支払いきれるものではないでしょう。
また、変異対策(?)のカードとして、《鮮明のレンズ》というカードも公開されています。
変異が使われないPauperでは「ライブラリーの一番上を見る」だけのカード。
さすがに厳しそうです。
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以上、各氏族のメカニズム発表! コモンの使い道を考える でした。参考になれば幸いです。
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。ではでは(゜-゜)
長久は英雄的、進化と組み合わせれば活用できるかも知れません。色的に再生付与を期待したいですね。
アブザンの+1/+1カウンター活用には夢が広がりますね。白だけでなく、緑や黒にも期待です。