今回は、《骨断ちの矛槍》についてです。
Bonesplitter / 骨断ちの矛槍 (1)
アーティファクト — 装備品(Equipment)
装備しているクリーチャーは+2/+0の修整を受ける。 |
基本情報
攻撃的な修整値を持つ軽い装備品。
通常、装備品は「場に出す+装備させる」ための合計コストが重い傾向にありますが、このカードは合計2マナでクロックを2点もあげる事ができ、非常に効率が良くなっています。
1マナずつ分割払いして使える事から、余った1マナの有効活用先としても便利です。
また、単純にクロック速度を上げてくれるだけでなく、中盤以降消耗戦になった場合に実質的にデッキトップを強くしてくれる点が優秀。
「序盤は強いが終盤では弱いカード」を多く入れる傾向にある速攻系ビートダウンに非常にマッチしたカードと言えるでしょう。
<例えば終盤では心許ない若き狼も、3/1不死と3マナ相当の頼れるクリーチャーになる>
このカードの強み
このカードの強みは「パワーを2上げる事」と「場に残り続ける事」です。
Pauper環境にはパワー2のクリーチャーが多く存在し、ビートダウンを組む際にはパワー2が中心になりやすいという特徴があります。
そして、Pauperのトップメタのデッキの多くは《尖塔のゴーレム》・《アスフォデルの灰色商人》・《マイアの処罰者》などの2/4・4/4のクリーチャーを使う事で、こういったビートダウンの攻撃を止めてきます。
Pauperでパワー4のクリーチャーを採用するのは中々簡単なことではありません。
大抵重すぎたり、扱いが難しかったりします。
仮にうまく用意できたとしても打ち消されたり除去されてしまって、結局その他多くのパワー2がビタ止まりしてしまい、その隙に相手の良いようにされる危険があるんです。
しかし、《骨断ちの矛槍》があれば話は変わってきます。
「序盤にライフを攻めるための2/2」が4/2になる事で、《尖塔のゴーレム》達を突破して最後の一押しを入れやすくなります。
相手からすれば「2/4で相打ちを取ってしまうと、次のターン全ての2/2が殴ってくる。だからといって4点クロックを止めない訳にもいかない」ジレンマに苛まれる、という訳です。
似た役割をもつ《怨恨》と比較した場合、一度場に出てしまえばもう「打ち消し・立ち消えで墓地に行く心配がない」点が重要。
隙をついて一度場に出せればもうタフネス4も怖くありませんから、勝率にも大きく影響してきます。
<怨恨は打ち消し・立ち消えの他、《大祖始の遺産》で除外されるケースもある>
使用上の注意点
これだけ優秀な《骨断ちの矛槍》ですが、1つ使用上の注意点があります。
それは、「これ単体では何も仕事をしない事」です。
例えばこんな状況を想定してみましょう。
お互いの初手がこのような場合、白側は先手・後手関係なく不利です。
場に出した《宮廷のホムンクルス》は次から次へと除去されていき、《骨断ちの矛槍》が全く働きません。
さきほど「《骨断ちの矛槍》は消耗戦時にデッキトップを強くする」と言いましたが、消耗戦になりすぎるとこのように「《骨断ちの矛槍》は単体では仕事ができない」という弱点が浮き彫りになってしまうんです。
このような弱点を緩和するためには、「除去耐性持ちクリーチャー」の存在が重要になってきます。
例えば《宮廷のホムンクルス》が1枚《宿命の旅人》だったら、まだまだ勝負は分かりません。
《法の信奉者》が1枚あればもう盤石です。
このように、《骨断ちの矛槍》を使うときは「1:1交換のゲームに持ち込まれたらカード1枚分損してしまう」事を念頭に、除去耐性を重視した構築にする事が重要です。
逆に、自分から積極的に1:1交換を狙いに行くべきデッキが相手の時は、サイドアウトしてしまった方がいいですね。
以上、骨断ちの矛槍/Bonesplitter【Pauperカード個別考察】でした。参考になれば幸いです。
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。ではでは(゜-゜)