新カード情報

ダブルマスターズフルスポイラーコモン考察

本日発売の特殊セット「ダブルマスターズ」のフルスポイラーが公開されています。

 

ダブルマスターズ公式スポイラー/カードギャラリー

 

このセットで新たにコモンとして収録されたカードは、Pauperで使用可能になります。

 

今回は、ダブルマスターズで新たに収録されたコモンのうち、気になったカードをPauper目線で見ていきます。

ダブルマスターズのコモン

《雪花石の魔道士》:2マナ払うたびに味方1体に絆魂を与える2マナ2/1。

2マナの絆魂クリーチャー枠としては、1マナのスペルを連打しているだけで4/4以上の絆魂で攻撃できる《道の探求者》とどうやって差別化するかが課題になります。

良いカードではありますが、タフネスが1ということもあって厳しい印象。

 

《祖先の刃》:2マナ2/2で、トークンが死んでも《小剣》が残る優良カード。

《きらめく鷹》で手札に戻せば再度2マナ2/2として使い回すことができます。

 

近い役割を持つ《皮剥ぎの鞘》と比較すると

《古えの遺恨》で破壊されても1/1は残る
②装備コストが1マナなので気軽に付け替えやすい
③装備を付け替えても1/1は残る=《きらめく鷹》を3/3飛行にしやすい
④トークンが2/2なので単体でもアタッカー・ブロッカーとして機能する

などなど、2マナになったことで格段に性能が上がっているのが特徴。

単純に1枚で2枚分のカードカウントが得られるので《短角獣の歩哨》の昇殿達成にも貢献しやすく、サイボーグを始めとした白い速攻デッキで幅広く使えそうな1枚です。

 

《外身の交換》:白のシングルシンボルになった代わりに、1/1の多相トークンを与えてしまう《損ない》

多相を持つインスタントなので
《ゴブリンの女看守》《ワイアウッドの伝令》《誘導スリヴァー》《ヴィダルケンの霊気魔道士》でサーチできる
《グール呼びの詠唱》《グール起こし》で回収できる
《バリラシュの旗騎士》などでコスト軽減できる

といった部族シナジーを活かしやすいのが特徴です。

 

欠点としては、トークンが相手の部族シナジーを伸ばしてしまうこと。

《呪文づまりのスプライト》の打ち消し射程を伸ばしてしまう
②スリヴァーデッキでは1/1多相が5/5以上になりうる
《ゴブリンの手投げ弾》のコストに充てられてしまう

などなど、部族デッキ相手には1/1トークンがそのまま敗因になりうることも考慮に入れておきたいところ。

逆に《戦場の衛生兵》《ティタニアの僧侶》のように相手の場にいる部族も参照して強くなるカードと相性が良いので、「相手の場にでた1/1多相を利用する構築」も狙ってみたいですね。

 

《オドリックの十字軍》:クリーチャーが多ければ多いほどサイズが上がるクリーチャー。

白には《急報》《金切るときの声》など横に並べる優良カードが多いので、すぐに5/5以上までサイズを上げてくれます。

ただ、この手のカードは「有利な盤面で強く不利な盤面で弱い」のが懸念材料。

 

トークン戦略を狙うなら全体強化を入れた方が強いケースが多く、使い方が難しい1枚。

 

《聖域の霊》:アーティファクトを捨てると破壊不能を得る4マナ3/2絆魂。

余分なアーティファクト土地を捨てて破壊不能を得られるので、場持ちが良いのが偉いです。

 

《墓の刈り取り》で大量のアーティファクトクリーチャーを回収すれば、無敵の絆魂生物になってくれます。

構築次第では新時代の《ギルドパクトの守護者》になりうる可能性を秘めた1枚。

アーティファクトに「《死の火花》のように墓地から手札に戻りうるカード」が登場したら一気に評価が上がりそうです。

 

《アーギヴィーアの修復術》:アーティファクトリアニメイトカード。

パウパーの歴史を変える1枚です。

というのも、ドロー操作やルーティングが得意な青が単色でリアニメイトまでできるようになったからです。

すなわち、今後すべての高マナ域のアーティファクトは右上の数字がほとんど意味を持たなくなりました。

全部4マナで出せるので。

 

幸い現状ではカードパワーの高いアーティファクトは《成し遂げた自動機械》くらいしかなく、あとは《自己組立機械》《ガラス塵の大男》を1マナ軽く召喚する程度のカードなので、すぐに暴れることはなさそうです。

 

8マナ以上のコモンアーティファクトが出たら一気に壊れうるカードですね。

 

《ヴィダルケンの注入者》:アップキープごとに蓄積カウンターを貯める4マナ1/4。

重い。遅い。除去耐性も低い。良いカードなだけに惜しい。

 

《ホネツツキ》:そのターンにクリーチャーが死亡していると1マナ3/2飛行接死。

《秘密を掘り下げるもの》のことを考えると、「初手にホネツツキがあれば、9割以上の確率で4ターン目には攻撃している」構築を目指したいところ。

 

相手クリーチャーの死亡でも条件を達成できるとはいえ、それでは相手依存度が高すぎるのでやはり自分のクリーチャーを生け贄にしてから召喚したいです。

アドを失うことなく能動的に条件を達成する1~2マナのカードとしては《リリアナの使用人》《村の儀式》《髑髏の占い師》などが挙げられます。

 

また、「相手がこちらのターンにインスタント除去を使うと第二メインにこれを1マナで召喚できる」というリスクを負わせられるのも強み。

《巨森の蔦》同様、これの存在を警戒して相手が自身のメインに除去を切ってくれるようになるので、存在自体が相手の動きを制約してくれる優良クリーチャーです。

 

ちなみに、《羽ばたき飛行機械》《弱者選別》すると1ターン目に《ホネツツキ》を4体並べることができます。成功率は100,000分の1くらい?

 

《喪心》:パウパーから除去選択の心を喪わせたカード。

 

パウパーには伝説のクリーチャーがほぼいないので《グルマグのアンコウ》を始めとしたクリーチャータイプ・色・サイズによる除去耐性はすべて無に返りました。強すぎる。

もちろん、これを一番強く使えるのは黒単でも青黒でもなく、ウルザトロンです。

 

《無情な略奪》:強襲してると宝物を出す《精神腐敗》

2ターン目までに生物を展開していて、手札破壊から3→5ジャンプを狙いたいデッキなら強いです。あとは頼みます。

 

《削剥》:2マナ3点 or アーティファクト破壊。

メインから積みやすいアーティファクト破壊がついに登場。

青赤氷雪フェアリーなどが《鋸刃の矢》を対処しやすくなったのはかなり大きいです。

 

ボロスキティや親和はメイン戦から相手の先手2ターン目の《削剥》で土地を破壊されるリスクを警戒する必要が出てきました。

 

《バルデュヴィアの怒り》:スロートリップ付きのX点パンプ。

赤単英雄的では1マナでの誘発からマナフラッド受けまで対応してくれる優秀なパンプ呪文になります。

 

とりあえず1枚入れておくと引きに合わせて動きを最適化してくれる便利なカードです。

 

《カズールの徴収者》:3マナ3/2。0マナで装備品をつけられる能力を持ちます。

1マナの《銅の甲殻》をつけて5/4。

0マナの《調和者隊の盾》をつけて3/5警戒。

トークンが死亡したあとの《鎌切り》をつけて5/4。

《囁き絹の外套》をつけて被覆+ブロックされない。

などが候補になります。

 

あまり装備コストが重すぎるカードばかりを入れてしまうとこれを引けなかったときや即除去されたときに苦しくなるので、構築の腕が問われる1枚。

大量の装備品がならんだあと、《速羽根のサンダル》からパワー10以上の飛行速攻でワンショットを狙ってみたいですね。

 

《蛮行オーク》:2マナ1/1。アーティファクトを投げて《ショック》を打つことができます。

 

《クラーク族のシャーマン》と違って繰り返し使える除去なので、ストンピィ・フェアリー・エルフのようなタフネス2以下を軸にしたデッキはこれを除去できないと詰みかねません。

《火花鍛冶》を彷彿とさせる凶悪な除去クリーチャーです。

暇なときは本体にダメージを入れられるのも嬉しい。

 

《多欲なドラゴン》:5マナ3/3飛行。宝物トークンを2個生成。

宝物トークンは打ち消しと相性がよく、常に《対抗呪文》を構えられるようになります。

 

とはいえ、《稲妻》で落ちてしまう5マナクリーチャーでは厳しい印象。

 

《直接射撃》:3マナ・インスタント・一方格闘・+1/+1修整。

優秀なカードですが、さすがに重そう。

 

《議事会の自然主義者》:5マナ4/4。CIPで《帰化》

 

ライバルは《枝細工下げの古老》

緑が濃いデッキでは分割払いできる《枝細工下げの古老》のほうが強いですが、ウルザトロンではシングルシンボルであるこちらのほうが使いやすく、《幽霊のゆらめき》とも相性が良いのが強み。

ミラーでは相手のフィルターを次々に破壊するのに便利そうです。

 

《永遠溢れの杯》:増殖と相性が良いマナ加速カード。

《論議を呼ぶ計画》《開花の巨体》で次々に増殖し、膨大なマナで盤面を支配したいですね。

シナジー抜きで考えても、《粗石の魔道士》でサーチできるマナ加速は貴重です。

 

弱点は《呪文づまりのスプライト》《ゴリラのシャーマン》

多重キッカーはXマナと違ってスタック上でも点数で見たマナコストは0なので《呪文づまりのスプライト》にあっさりと打ち消されてしまいますし、《ゴリラのシャーマン》には1マナで破壊されてしまいます。

 

《皮羽根》:4マナ2/2飛行の生体武器。

4マナともなると《きらめく鷹》で使い回すにしても重すぎる印象ですが、《幽霊のゆらめき》で再度利用するのは強そうです。

 

ウルザトロンが無限に飛行ブロッカーを用意したいときに使いそう。

 

《うねりの結節》:蓄積カウンターを移し替える1マナアーティファクト。

《永遠溢れの杯》とも相性が良いですが、やはり一番強いのは《オパールの腕甲》の修整値アップ。

元々4マナ+4/+4修整の時点で強いですが、+5/+5以上も狙えるようになります。

 

デッキに1枚入れて《粗石の魔道士》からサーチしてガチャガチャ回すのが基本的な使い方になりそうです。

《ゴーレム皮の籠手》:装備すればするほど修整値があがる装備品。

最低でも3つは装備させないと効率が悪く、使い方が難しそう。

 

《マイアの回収者》:無限ループの申し子がついにコモン落ち。

1ターン目1マナのアーティファクトクリーチャー

2ターン目《マイアの回収者》

3ターン目《アシュノッドの供犠台》

⇒1マナ生物と回収者を生け贄で無色4マナ

⇒2枚目の《マイアの回収者》+《彩色の宝球》《大霊堂の信奉者》

⇒《マイアの回収者》を生け贄に《マイアの回収者》回収+召喚で無限ライフルーズ

で理論上3キルを狙うことができます。

 

さすがに3キルを安定させるのは大変ですが、4~5キルを狙うデッキは組みやすいので、いろんなパターンを狙ってみたいですね。

2体をグルグル回せば無限ストーム・《ゴーレムの鋳造所》で無限トークンもできます。

単純に無限ブロッカーとしても有用なので、地上を攻めるデッキは回避能力が必須になりそうです。

総括

注目しているのは《祖先の刃》《ホネツツキ》《マイアの回収者》の3枚。

白単・黒単・茶単デッキですばやく相手のライフを削りきるデッキの登場に期待したいです。

 

《喪心》の登場でウルザトロンを始めとしたタッチ黒デッキが大幅に強化されてしまったので、横並べ戦略を重視したいですね。