米時間12/29、運命再編の公式プレビューが開始。同時に、そのメカニズムも公開されました。
参考リンク:『運命再編』のメカニズム/マジック:ザ・ギャザリング 日本公式
タルキール覇王譚と同じく各氏族それぞれに与えられた計5つの能力に加え、混成マナ・新能力の「予示」・そして「モードを持つ呪文および能力」が取り上げられています。
アブザン:「長久」→「鼓舞」へ変更
アブザン(白黒緑)に与えられたのはキーワード処理「鼓舞」。
「鼓舞Nを行う」は、「自分のクリーチャーの中で最もタフネスが小さいクリーチャー1体の上に+1/+1カウンターをN個置く」を意味しています。
まだ鼓舞のコモンは公開されていませんが、Pauper環境ではサイズが1つ変わるだけで盤面に大きな影響を与えるため、かなり期待できる能力です。
この能力の最大の特徴は「対象を取らない」事にあります。
タフネスが最小なら《鎌虎》や《ジョルレイルのケンタウルス》のような被覆クリーチャーを強化する事もできますし、クリーチャーを選んでから実際に強化されるまでに割り込むタイミングもありません。
ジェスカイ:「果敢」続投
ジェスカイ(青赤白)の能力は「果敢」が続投。
《ジェスカイの賢者》は2マナ1/1果敢、死亡時にカードを1枚引かせてくれるクリーチャーです。
サイズの小ささが目立ちますが、Pauperの青には《ギタクシア派の調査》・《定業》と言った1マナキャントリップ呪文が多く存在するので、とりあえず「2マナ2/2死亡時1枚ドロー」くらいの性能にはなってくれそうです。
無限コンボデッキやウィーゼロックスなどで候補に上がり、その場合には「死亡した時にカードが1枚引ける」おかげで除去されても次のコンボの種を探しに行けるのが優秀なカードです。
スゥルタイ:「探査」続投
スゥルタイ(黒緑青)の能力も「探査」が続投。
強力な能力だけに、この続投は凄く嬉しいですね。
《グルマグのアンコウ》は7マナ5/5探査。
《よろめく従者》同様タフネス5は除去されにくく、クリーチャータイプがゾンビなため《夜の犠牲》も効きません。
参考リンク:Pauperの壁、タフネスの壁
パワーが5もあればクリーチャーとの戦闘には十分ですし、マナコストが1軽い事やクロック速度も考えると《よろめく従者》よりも優先して採用できる性能でしょう。
マルドゥ:「強襲」→「疾駆」へ変更
マルドゥ(赤白黒)に与えられたのは、キーワード能力「疾駆」。
その呪文を疾駆コストで唱えることを許可する能力で、疾駆コストで唱えられたクリーチャーは「速攻を得るとともに、そのターンの終わりに手札に戻る」ようになります。
ヴィーアシーノ化する能力といったところでしょうか。
《ゴブリンの踵裂き》は、4マナ3/2・攻撃時に「このターン、対象のクリーチャーではブロックできない」を持つクリーチャー。
4マナのクリーチャーとして考えると心許ないですが、3マナ3/2速攻・ブロック制限能力付きヴィーアシーノと考えると中々の性能。
自身もゴブリンである事・繰り返し唱えられるクリーチャー呪文である事を考えると、《ゴブリンの群勢》中心のゴブリンデッキに入れると良い味を出しそうなカードです。
ティムール:「獰猛」続投
ティムール(緑青赤)の能力は、「獰猛」が続投。
《開拓地のマストドン》は3マナ3/2・場に出る際に獰猛を達成していれば4/3となります。
《稲妻》1枚で落ちる3マナ4/3は採用すべきかギリギリなライン。獰猛が達成できないケースも考えると、ちょっと採用は厳しそうです。
《怨恨》・《骨断ちの矛槍》を使えばパワー4はある程度安定して達成できるので、今後公開される獰猛カードに期待。
予示
新キーワード処理「予示」。
予示されたカードは裏向きで2/2クリーチャーとして扱われ、そのカードがクリーチャー・カードの場合「そのマナコストを支払う事で表向きにする」ことが出来ます。
インスタントやソーサリーでも裏向きパーマネントとして戦場に出せるのが驚きです。
《天上の待ち伏せ》は、5マナでライブラリーの一番上から2枚を予示するインスタント。
とりあえずはインスタントタイミングで2/2を2体出せる呪文といったところ。
この手の複数の生物を展開する呪文と違って「トークン」を使わないため、一時的な追放やバウンスに耐性がある点が魅力的です。
土地が予示できれば「弱い土地をクリーチャーとして扱える」・強いクリーチャーが予示できれば「打ち消されない手札のように扱える」ので「5マナインスタントで、2/2トークンを2体戦場に出しつつ、カードを引く」に近い感覚で運用できるかもしれません。
モードを持つ呪文および能力
運命再編には「運命を選ぶ」をコンセプトに、モード選択が可能な呪文・能力が存在します。
《頭巾被りの暗殺者》は、「3マナ2/3」か「3マナ1/2+《命取り》」を選べるクリーチャー。
Pauperには3マナ2/2・合計2回《命取り》ができる《オルゾフの安死術士》がいるので、ちょっと採用は厳しそう。
どうやら「戦場に出たときに選択ができるクリーチャーのサイクルが存在」するらしいので、他の色のモード選択コモンサイクルに期待したいところです。
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この期間は毎日ワクワクしますね! 《ジェスカイの賢者》とか、新デッキを組みたくなる性能です。
明日は一体何が公開されるのか。
以上、いよいよ公式プレビュー開始! 新メカニズムとコモンの性能を考えるでした。参考になれば幸いです。
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。ではでは(゜-゜)
「鼓舞」の項目の、クリーチャーを選んでから実際に強化されるまでに割り込むタイミングがないことには言われるまで気がつきませんでした。
そう考えると余計に強く思えます。目から鱗でした。
疾駆は「次の終了ステップ開始時」に手札に戻るので
警戒・アンタッパーいるならブロッカーにもできるし
相手ターンでの生け贄ソースが必要なときに生け贄にすることもできますよ