2016年1月18日の禁止改訂は以下の通りです。
モダン:《花盛りの夏》・《欠片の双子》禁止
Pauper:《フェアリーの大群》禁止
『Magic Online』発効日:2016年1月27日
参考リンク:2016年1月18日 禁止制限カードリスト告知/mtg公式
次回告知日:2015年4月4日
Pauper環境においてここ数年間つねにTier1を突っ走っていた青単フェアリーの軸となる実質0マナ1/1飛行フェアリーであり、常に何らかの形で環境最高のデッキパワーを誇る無限コンボの軸となっていたアンタップソースでもある《フェアリーの大群》が、Pauperにおいて使用禁止となります。
影響①青単フェアリーの弱体化
《フェアリーの大群》禁止による影響として考えられるのは、まず青単フェアリーの弱体化が挙げられます。
青単フェアリーには、1ターン目《秘密を掘り下げる者》からの2ターン目即変身+《フェアリーの大群》展開による「4点クロックを用意しつつ打ち消しを構えられる」最強ムーブが存在します。
<正直、負ける気がしない>
仮に先手2ターン目にこの動きが出来た場合、後手は基本的に2マナの呪文までしか唱えられないので、《呪文づまりのスプライト》が実質確定カウンター付きの1/1飛行として使えてしまいます。
まあ、よほどメタられていない限りまず負けませんよね。だからこそ、トーナメントでは「よほど」メタられているのです。
ここまでのぶん回りは出来なくても、1ターン目に《定業》・《思案》で手札を整えれば《秘密を掘り下げる者》がいない以外はほぼ同じ動きができるため、かなり安定して強い動きができます。
これが、青単フェアリーがどれだけメタられてもtier1に居続けるだけの底力の源泉となっていました。
しかし、《フェアリーの大群》がいないと、このような動きはできなくなります。
1ターン目に《秘密を掘り下げる者》を出したり《定業》・《思案》を唱えてしまうと、2ターン目に《呪文づまりのスプライト》を「2マナ以下の呪文カウンター」にできなくなり、相手の動きの幅が一気に広がってしまうんです。
一度場に出てしまったカードへの対抗手段が《断絶》と《海賊の魔除け》くらいしかない青単フェアリーにとって、この変化は非常に厳しいものとなってくるでしょう。
だからといって、「青単フェアリーは終わり」かと言うと、そんなことはないと思います。
マジックオリジンにおいて手に入った1マナ1/1飛行フェアリー+αである《フェアリーの悪党》がいるからです。
このカードは場に出た時にカードを1枚引ける可能性があり、《フェアリーの大群》と比べても
①1ターン目に場に出せるので、2ターン目《深き刻の忍者》忍術がしやすい
②後半に複数固め引きしたときに1/1飛行をいっきに並べられる
③《深き刻の忍者》で手札に戻したときにさらなるアドバンテージをとれる可能性がある
という点で強みがあります。
ただし実質0マナと1マナの壁はやはり非常に大きく、先に述べた最強ムーブができなくなる上に、島が2枚しかないと《対抗呪文》を構えながら追加のクロックを展開できなくなるので遂行速度は格段に下がります。
また、終盤に消耗戦となり1ターンでも早く《尖塔のゴーレム》を引きたいケースでは《フェアリーの大群》のサイクリングが重宝していたことも考えると、消耗戦時の底力も弱くなってしまいます。
「青単フェアリーは終わりとは言い難いが、弱体化は避けられない」という感じですね。
青は他にも強いカードがたくさんあるので「ここまで弱体化するのなら他の青単にした方がマシ」となる可能性もありますが、とりあえず青単フェアリーと言うアーキタイプ自体は一定の存在感を残すと考えられます。
影響②幽霊のゆらめきコンボの大幅な弱体化・解体のおそれ
次に考えられるのが、familiarを始めとした《幽霊のゆらめき》コンボの大幅な弱体化です。
こちらはファンデッキレベルまで落ちる可能性も高いでしょう。
このコンボは《幽霊のゆらめき》で《記憶の壁》と《フェアリーの大群》のCIP能力を使い回すことで、墓地の《幽霊のゆらめき》を回収しつつ土地を2つアンタップできるため、バウンスランドやコスト軽減カードを絡めることで無限マナを生み出せるのが鍵となっていました。
しかし《フェアリーの大群》が使えなくなってしまうと、無限マナコンボのハードルが格段に上がってしまい、相手の速度に間に合わなくなってしまいます。
まだ現実的なのは《記憶の壁》+《断絶》か、《幽霊のゆらめき》+《記憶の壁》+《やっかい児》あたりでしょうか。
どちらも青マナを増やすのが難しく、必要なコスト軽減・マナ増幅カードの枚数が増えるので、かなり厳しそうです。
無限コンボをサブプランに据えた青緑にシフトするなど、新たなコンボの組み合わせが模索されて這い上がって来る可能性もありますが、とりあえず《幽霊のゆらめき》コンボはファンデッキレベルにまで大幅に弱体化することが予想されます。
環境への影響は?
以上から考えられるPauperのメタゲームへの影響としては、「低速デッキの増加」です。
Pauper環境には、緑単感染・ぶどう弾ストーム・postストームといった「killターンを定義するデッキ」が禁止によって大幅に弱体化・解体されるたびに、黒単信心・白単トークン・ウルザトロン・ボロスキティ・青黒コントロールといった「killターンがやや遅い代わりにコントロール力が高いデッキ」がメタ上位に食い込んできたという歴史が存在します。
その流れから考えれば、「今のPauperのkillターンを定義」していたfamiliarの大幅な弱体化、「初動の遅いデッキを打ち消しで封殺」する青単フェアリーの遂行速度低下により、全体的に多少速度を落としてでもコントロール力を重視した構成に変わっていくことが予想されます。
青単フェアリー・familiarにやや不利だが、コントロール力の高いウルザトロン
青単フェアリーを苦手とし、単体除去の多いコントロールを得意とする呪禁オーラ
初動の遅さが弱点となっていた現実の酸
の評価が上がって来るのではないでしょうか。
お久しぶりの書き込みです。
Pauperまさかの(?)≪フェアリーの大群≫禁止。
仰る通り青単フェアリーのキーパーツでもあり、弱体化は余儀なくされますがそれでも地力はあるデッキですので大群枠の自由度ができることで様々な挑戦がされることでしょう。
ですが、公式ではエスパーファミリアを槍玉に挙げており、Tear1である青単フェアリーでのフェアリーの大群の強さには一切触れていません。
そしてフェアリーの大群禁止の煽りを一番に被るのは、このエスパーファミリアなわけですが、これがPauperのメタゲームの支配や多様性の欠如をもたらしているという公式の言い分には疑問が残ります。
雑多な感想ですが、以上失礼しました。
今回の禁止はどのフォーマットに対しても疑問が残りますね。
モダンにしてもpauperにしても強すぎる、というよりは他のアーキタイプの障害になってたから妥当だと思いますが。
特にフェアリーについてはそれに勝てないデッキが環境から追い出されてましたし・・・フリースペルはファイレクシアマナ並みの失敗メカニズムじゃないかな
多数の青系デッキでの打点の核であるデルバーを、ウィザーズは禁止にしたくないのでしょう。先の宝船の巡航の禁止でも、各環境の赤青デルバーの強さの要因なので巡航のほうを禁止にしますとコメントしていますし…。巡航自体異常なカードパワーでもあるのですが、どうもそういう意図があるように思えてなりませんね…。
追記:青単フェアリー弱体化のために《フェアリーの大群》がやり玉に挙げられた理由に…が文の始めにつきます。
ファミリアは墓地対策、打ち消し、除去全て揃ったハンドでもコントロールだと勝ち目がなかったし
ビートでも土地2枚から逆転される事が多くて一番苦手なデッキでしたね
色々な方のブログを見てもファミリアが勝率、入賞率で見るとダントツなのは明らかだったので
今回の禁止は妥当だと思います
環境に低速デッキが増えるなら、きっと別のコンボデッキが食い止めてくれるはず