今回は、Pauperの激闘型ウィーゼロックスについて書いていきます。
player:surucucu (4-0)
9:《島/Island》 5:《山/Mountain》 3:《広漠なる変幻地/Terramorphic Expanse》 -Lands(17)- |
4:《ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe》 4:《思案/Ponder》 4:《定業/Preordain》 4:《稲妻/Lightning Bolt》 3:《使徒の祝福/Apostle’s Blessing》 3:《ティムールの激闘/Temur Battle Rage》 3:《噴出/Gush》 2:《払拭/Dispel》 2:《変異原性の成長/Mutagenic Growth》 1:《海賊の魔除け/Piracy Charm》 1:《衝動/Impulse》 -Other Spells(31)- |
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3:《紅蓮破/Pyroblast》 2:《水流破/Hydroblast》 2:《嵐縛りの霊/Stormbound Geist》 2:《対抗呪文/Counterspell》 2:《電謀/Electrickery》 2:《炎の斬りつけ/Flame Slash》 1:《払拭/Dispel》 1:《鋭い痛み/Flaring Pain》 -Sideboard(15)- |
激闘型ゼロックスとは?
激闘ゼロックスとは、
①インスタント・ソーサリーを唱えるとパワーが3あがる《窯の悪鬼》・《ニヴィックスのサイクロプス》
②獰猛達成時なら対象のクリーチャーに二段攻撃とトランプルを与える《ティムールの激闘》
の2枚の相性の良さを軸に組まれたコンボ系アグロデッキです。
0~1マナで唱えられるインスタント・ソーサリーを連打した後、《ティムールの激闘》をサイクロプスらに唱える事で「パワー10以上の二段攻撃トランプルクリーチャー」を作り出し、瞬殺を狙います。
キーカードの《ティムールの激闘》が2マナのため、従来のストロボ型ウィーゼロックスの頃よりも最速の3ターンキルができる確率はやや落ちたものの、依然として現実的な確率で3ターンキルが可能。
必須となるコンボパーツが2種類になった事でコンボとドロー操作呪文の相性の良さが引き立ち、さらなるデッキパワーの高さと安定性を得た環境最速のデッキです。
また、《ティムールの激闘》をサイドアウトしただけで普通の赤青ビートダウンになれる点も魅力。
コンボを決めにくい除去コントロール相手にはサイドからアドバンテージを重視した構成に切り替えることで、コンボデッキを得意とするデッキを逆に狩りに行く事ができる柔軟なデッキとなっています。
<コンボを捨て、じっくりとアドバンテージを取って戦う>
各種呪文の使うタイミング
ウィーゼロックスにはカードを1枚引く呪文(キャントリップ)が多く採用されているため、その使うタイミングが戦況に大きな影響を与えてきます。
《ギタクシア派の調査》:0マナですが、中盤まで温存しておいた方が有利になりやすい呪文。
というのも、使うのが早すぎるとコンボが揃う頃には相手の手札がほとんど分からなくなり、「コンボを即決めに行くべき」か「1ターン待つべきか」の判断が難しくなってしまうからです。
序盤は温存して3~5ターン目に唱えると、より多くの情報アドバンテージを得られ、その後の判断が楽になります。
①「このターンにフルタップして《窯の悪鬼》を展開すべきか、1ターン待って《使徒の祝福》を構えながら展開すべきか」の判断をしたい時に使う
②3マナしかない状態から調査+定業+激闘で20点トランプルを狙うのに使う
といったように中盤以降に使うと強いケースが多いので、「温存するメリット」と「このターンカードを1枚引くメリット」を比べながら使いたいところ。
《定業》:占術の関係上、基本的には《思案》よりも先に唱えた方が効果的な呪文です。
例外は《広漠なる変幻地》などでデッキをシャッフルすることが確定している場合。
この場合は《思案》を唱えてからシャッフルさせ、シャッフル後に《定業》を唱えた方が「占術で下に送った不要カードを引く」おそれがなくなり、手札の質が高くなりやすくなります。
《思案》:特定のカード1枚をこのターン引きたい場合は《ギタクシア派の調査》⇒《思案》の順に唱えた方が引ける確率が少しだけ高くなります。
アドバンテージ源
《噴出》:このデッキで最もシンプルにアドバンテージを取れる呪文。
0マナで打てるどころか、状況次第では《噴出》を唱えた後の方が使えるマナが増えることもある強力なカードです。
たとえば4ターン目に島・島・山とある状態で、3マナを浮かせてから《噴出》を唱えて島を置き直すと、《払拭》や《使徒の祝福》を構えながら《ニヴィックスのサイクロプス》を展開することが可能。
使いやすさは《島》+《広漠なる変幻地》の枚数に依存するものの、デッキの動きの幅を大きく広げてくれる1枚です。
《衝動》:2枚以上積むと2マナというコストが重く圧し掛かってきますが、1枚であれば比較的使いやすく、《噴出》へと繋ぎやすくなることで間接的にアドバンテージに貢献する呪文。
ライブラリーを4枚も掘れるので、仮に目的のカードがめくれなくても「目的のカードまで4枚分も近づいた」と考える事ができ、「あのカードさえ引ければ勝てる!」という状況になりやすいウィーゼロックスと非常に噛み合っています。
「デルバーで見えた・あるいは《騒がしいネズミ》でトップに戻された」不要なカードを処理したり、《思案》で見えた3枚の内1枚は欲しいけど残り2枚は要らないという場合に特に重宝するカードです。
ファイレクシアマナの強み
このデッキにはファイレクシアマナのカードが多く採用され、通常赤青では難しいパンプとプロテクション付与が可能となっています。
その中でも特に優秀なのが《使徒の祝福》で、このカードには大きく分けて5つの強みがあります。
強み①:《稲妻》・《断絶》・《墓所のネズミ》と、環境にあるほとんどの除去を回避可能
⇒回避できないのは布告除去と《流砂》
強み②:自分のクリーチャーが1体しかいない時に相手が《未達への旅》・《Oubliette》を唱えた場合、《未達への旅》が場に出る前にプロテクションを与える事で、相手のクリーチャーを追放させることが可能。
強み③:相手の場にいるクリーチャーが全て共通の色を持つ場合、プロテクションで実質ブロックされないを与えて押し切るプランが出来る
強み④:《窯の悪鬼》に使えば、パワーを上げつつクリーチャーから与えられるダメージを軽減でき、コンバットトリックとして重宝する
強み⑤:2色地形が《広漠なる変幻地》なせいで色マナがやや不安定なデッキのため、無色マナで唱えられるのが便利
《変異原性の成長》も0マナで唱えられるパンプということで、《ティムールの激闘》の射程を伸ばす役割がある他
①火力呪文や《流砂》からクリーチャーを守る
②サイクロプスで《グルマグのアンコウ》を返り討ちにする
といった役割があり、0マナ=他の呪文を構えながら使えるのが非常に便利です。
激闘ゼロックスの良さ
激闘型のウィーゼロックスの良さは、ドロー操作呪文とシナジーする実質2枚コンボというデッキ完成度の高さ。
「除去耐性も速攻も持たない2マナ以上のクリーチャー」に「インスタント・ソーサリーを唱えて」瞬殺するコンボデッキは、全てこのデッキの下位互換といって良いほどに洗練されたデッキです。
コンボ自体はシンプルなため初心者からオススメできますし、サイドボーディング1つで超コンボ特化型から赤青ビートダウンまで切り替えられ、ドロー操作を打つタイミング1つで盤面が大きく変わるデッキなので上級者でも使いこなしきるのは難しい。
ドロー呪文の連鎖から《ティムールの激闘》がめくれた瞬間に「あ、勝ったわ」となった時の高揚感はたまりません。
Pauperで瞬殺コンボを使いたくなったら是非一度お試しを!
以上、2枚コンボで相手を瞬殺! 激闘型ウィーゼロックス分析でした。参考になれば幸いです。最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。ではでは(゜-゜)