本日、6/14発売の特殊セット「モダンホライゾン」のフルスポイラーが公開されました。
このセットで新たにコモンとして収録されたカードは、Pauperで使用可能になります。
「マジック史上初となる、スタンダードを経由せず直接モダンに向けた新セット」というコンセプト通り、通常のセットでは考えられない質の高いコモンが多数収録されています。
今回は、モダンホライゾンで新たに収録されたコモンのうち、Pauper目線で気になったカードを見ていきます。
《叶えられた祈り》:クリーチャーを出すたびに1点回復して、3/3飛行になる休眠エンチャント。
3マナ3/3飛行にライフ回復能力がついているのは優秀ですが、クリーチャーを毎ターン出せないと腐りやすいのが難しいところ。
《儚い存在》:《一瞬の瞬き》が合計6マナでしていたことを1マナで行う反復インスタント。
合計2回ブリンクを行うことによるアドバンテージの強さは《幽霊のゆらめき》が証明済みです。
《記憶の壁》と組み合わせて毎ターン呪文を回収していくのも強いですが、白単で《スレイベンの検査官》などに使ってアドをとるだけでも十分な強さ。
本家同様「《コーの空漁師》をブリンクして能力解決前の《未達への旅》を戻して永久追放」を狙うもよし、1マナという構えやすさを活かして相手の除去回避に使ってもよし。
いずれにしても「反復時のブリンクを活かしきれるか」が重要なので、CIP持ちや《アイケイシアの投槍兵》のようなブリンクと相性のいいクリーチャーを多く採用して使いたいですね。
《第六隊の騙し屋》:2マナ3/1多相。
そのままではかなり弱いカードなので「《キンジャーリの呼び手》を使って2ターン目から1マナ3/1」「《発明者のゴーグル》を使って2マナ4/3」など、マイナーな部族シナジーを上手く活かして強く使いたいところ。
《変容の軍勢》:4マナで2/2多相×2。
こちらはどんな部族で使っても十分な性能なので、スリヴァーデッキでも《巣の活性化》を押しのけてこちらが採用されるかもしれません。
今回は多相クリーチャーの質がかなり上がっていますし、部族シナジーは要チェックですね。
《長槍スリヴァー》:《かぎ爪スリヴァー》の上位種。
《かぎ爪スリヴァー》と違って相手のスリヴァーには先制攻撃をつけないので、同系戦でこれを出せれば一方的なゲーム展開を狙えます。
「2マナで2アクション」を基本とするスリヴァーで3マナを採用するのは簡単ではありませんが、同系戦を強く意識するなら入れておきたい1枚。
《殉教者の魂》:召集を利用して、タップ状態の土地が0枚の状態で場に出すと5/4になる兵士。
兵士であることを活かして《バリラシュの旗騎士》でコストを下げると格段に使いやすくなります。
1ターン目《スレイベンの検査官》を召喚
2ターン目《バリラシュの旗騎士》から《殉教者の魂》を召喚
3ターン目に最初の2体をタップして2枚目の《殉教者の魂》を5/4で召喚
《殉教者の魂》2体をタップして3枚目の《殉教者の魂》を5/4で召喚
なんて動きが理想でしょうか。
タップ状態の土地がなければいいので、《僻遠の農場》のような一時的なマナ加速土地と併用しても面白そうです。
《蓋世徴用》:白くなって召集が消えた代わりに1マナ軽くなった《大量の芽吹き》。
打ち消されないかぎりは延々と1/1トークンを出せるので、これをフィニッシャーに据えたコントロールデッキが成立しそう。
《超現実的決着》:5マナで除去+ブリンク。
かなり重いとはいえ、《記憶の壁》との2枚コンボで延々と使いまわせる除去は強力です。
青白系のウルザトロンで1枚採用したいカードですね。
《ミルカイト》:カードを2枚以上引いていると2マナ3/2飛行になるドレイク。
《定業》のようなドロー呪文1枚でデルバー相当のサイズになるので、青いクロックパーミでは5枚目以降のデルバーとしての採用が検討できます。
《ギタクシア派の調査》の禁止も納得の1枚です。
《フェアリーの予見者》:1マナ1/1飛行に占術2がついたフェアリー・ウィザード。
フェアリーデッキでは《フェアリーの悪党》との比較になります。
中盤以降のアドバンテージ力は《フェアリーの悪党》の方が上ですが、こちらは占術2で《深き刻の忍者》や《呪文づまりのスプライト》といったキーカードを探して、2ターン目から強いアクションを狙いやすくなるのが利点です。
トップを操作できるのは《ボーラスの占い師》や《秘密を掘り下げる者》とも相性がよく、Pauperのフェアリーのために生まれてきたような1枚。
《氷山のカンクリックス》:氷雪パーマネントを出すたびにライブラリーを2枚削る2マナ0/4。
Pauperでは氷雪土地を採用するデメリットがほとんどないため、毎ターンのようにライブラリーを削りやすいです。
墓地利用デッキでの序盤の壁役として使いたい。
《月刃の忍び》:忍術コスト3マナで、ダメージが通ると1/1飛行を生み出します。
めちゃくちゃカッコイイのでぜひ使いたいですが、《深き刻の忍者》という強力なライバルとの差別化が課題。
《幻影変化》:2体のクリーチャーをそのターン3/3飛行にするインスタント。
キャントリップ付きであるおかげで、適当な小型生物2体に使ってコンバットトリックとして使い捨てやすいのが強み。
能力は失わないので、先制攻撃持ちと相手クリーチャーを対象にとれば大型クリーチャーも一方的に討ちとれます。
《啓示の雨》:意外となかったインスタントの3ドロー1ディスカード。
手堅い性能なので、コントロールデッキでは見かけることもあるでしょう。
《全可能性の究明》:1マナ重くなった代わりにフラッシュバックを得た《定業》。
《定業》は1マナであることが最大の強みなので、2マナになった時点で比較はできません。
フラッシュバック抜きで見ると明確に弱く、かといって3マナ以上出せるならもっと強いドロー呪文があるので、なかなか扱いが難しい1枚。
《煙の覆い》:2マナで+1/+1修整と飛行付与。忍者が場に出ると墓地からよみがえります。
《深き刻の忍者》が3/3飛行になればかなり強力。
《霧刃の忍び》も「2/2飛行・サボタージュバウンス」になるなら十分な活躍が期待できます。
墓地に送ればマナがかからないので、ルーティングなどと組み合わせると使いやすいですね。
青を含まないデッキや、多相を活かしたデッキでも採用を検討できる1枚。
相手のクリーチャーに使うと《送還》の下位互換。
自分のクリーチャーを戻すにしても《引き揚げ》のほうが使いやすそう。
元ネタが強いと何とかして使いたくなります。
《冬の休眠》:青でよく見かけるタップ系オーラ。
氷雪土地をコントロールしているだけで「場に出てすぐタップし、起き上がる隙も作らない」という強力なオーラに。
青単などでは《睡眠発作》の上位互換として使われそうです。
《アズラの煙纏い》:忍術コスト2マナの3/3忍者。
攻撃が通ったクリーチャーから忍術で出てきて、ブロックされた味方に破壊不能を与えて突破するというトリッキーな動き方ができます。
《夜市の見張り》のように攻撃するたびにライフを奪うウィニーデッキと相性が良いですね。
《変わり身ののけ者》:多相を持った《苛まれし魂》。
忍者と相性がよく、これ自身も忍者なので《煙の覆い》を軸にしたデッキで使えます。
フェアリーでもあるので、青黒フェアリーの1マナ域としても検討できますね。
傭兵でもあることから、《カテラン組合の説得者》から呼べる1マナ生物としても優秀です。
《汚涜》:自分がコントロールする沼の分だけマイナス修整を与えるインスタント。
沼が2枚あれば《見栄え損ない》。5枚あれば《グルマグのアンコウ》すら除去できる、黒単専用の《雪崩し》と言えます。
テンポの良い優良除去を得たことで、黒単復権なるか。
《朽ちゆくゴブリン》:黒の2マナ2/2頑強。
1/1不死と2/2頑強なら、場に出てすぐの圧力が高く除去を使わせやすい2/2頑強のほうが強いです。
ゾンビデッキの2マナ域にすんなり入ってきそうですね。
《首無し死霊》:Pauper界の《惑乱の死霊》。
手札が0枚の状態で戦闘ダメージを与えれば、相手の手札をランダムに1枚捨てさせます。
《暗黒の儀式》から素早く展開して、序盤から能力を狙っていきたい。
この手のカードはこれを守る呪文とセットで使いたいのですが、そうすると暴勇を達成できなくなるというジレンマ。
《精神の掻き寄せ》:普通に使うと《精神腐敗》。2マナで使うとお互いに手札を2枚捨てる呪文になります。
《冥界への呼び声》があるとだいぶ使いやすくなります。
マッドネス呪文が手札にあるときは2マナ、ないときは3マナと使い分けしやすいのが良いですね。
《刃背スリヴァー》:手札がないとき、スリヴァー全体にプレイヤー限定のティム能力を与えます。
とりあえず2マナ2/2のスリヴァー。場が止まってしまっても手札を使い切れば残り数点を削り切れるのは偉いですね。
《肉裂きスリヴァー》:《断骨スリヴァー》の自軍限定版。
パワー修整値は高いものの、4マナなのに除去耐性がないのが懸念材料。
《炎の拳》:そのターンドローした枚数分だけパワーを上げるインスタント。
自分のターンに使えば単体でも+2/+0修整・トランプル・1ドローと十分な性能。
《信仰無き物あさり》を使って修整値を水増しした上で、二段攻撃持ちに唱えて瞬殺を狙いたい。
《地操術士の計略》:基本土地を与えてしまう代わりに1ドローできる土地破壊呪文。
上陸デッキでは、自分の土地を破壊して追加の上陸を狙うプランもあります。
《炎血の精霊》:墓地に土地カードがあると「4マナ4/3CIPでクリーチャーに2点」。
《進化する未開地》を採用した中速デッキで使いたい性能です。
《マグマの陥没孔》:探査付きの生物限定5点火力。
《収穫の火》と比べると ①アンコウを1マナで除去できる点 ②《呪文づまりのスプライト》にはまず打ち消されない点 ③墓地が空でも最悪6マナで打てる点が強み。
青赤系のコントロールにはすんなり入ってくるでしょう。
《オークの厄介者》:2マナ3/2。1マナのエコーと、死亡時にプレイヤーへの2点火力能力を持ちます。
《ヴィーアシーノの紅蓮術師》と比較すると《ボーラスの占い師》を前にしても殴りに行ける点
《ケルドの匪賊》と比較すると「除去をほぼ確実に使わせられる」点で優れています。
スライデッキだとエコーコストによるテンポ損が苦しいので、入るとしたらバーンデッキになりそうですが、既存のバーン系クリーチャーの中ではかなり高水準の性能を持っています。
《悪ふざけ》:発掘1付きのアーティファクト破壊。
2マナ払ってアーティファクトを1つ破壊するだけではやや弱いので、繰り返し使えることを活かしたい。
《多角ミノタウルス》:そのターンに2枚以上カードを引いていると、3マナ2/3二段攻撃。
《炎の拳》とセットで使いたい。
《ヴィーアシーノの砂駆け》:3マナ4/1速攻トランプルのヴィーアシーノ。
旧来のヴィーアシーノが持つ手札に戻ってしまうデメリットを、1マナサイクリングで補っています。
バーンデッキでは、「攻撃が通りそうなら3マナ4点火力」「通らなさそうならサイクリングで火力を引きに行く」というように盤面に合わせて動きを変えられるのが強い。
《母熊》:2マナ2/2。墓地から追放すると5マナで2/2×2体に。
持久戦向きの性能ではありますが、ストンピィで5マナの能力を使うには2マナ2/2を除去してもらう必要があり、《ボーラスの占い師》に釘付けにされた時の弱さが目立ちます。
できれば、このカードを直接墓地に送る手段の多いデッキで使いたいですね。
《ムラーサのビヒモス》:墓地に土地カードがあると、なんと6マナ8/8トランプルに。
《雪崩し》などでも簡単には落ちないので、ランプデッキのフィニッシャーとして使いたい。
《凶暴な一振り》:そのまま使っても《捕食》。自軍のパワー2のクリーチャーに使うと、+2/+2修整まで与えてくれます。
ストンピィにはパワー2のクリーチャーが豊富に採用されているので、条件を満たすのは難しくないでしょう。
今までは「2マナで+1/+2修整と格闘」の《勇壮な対決》が緑の主要除去でしたが、これに取って代わりそうですね。
《春花のドルイド》:3マナ1/1で、場に出たとき《砕土》を行います。
《砕土》と違って出てくる土地はタップ状態ですが、ドルイドを打ち消されてもアド損しないのが強み。
上陸デッキで、追加の上陸を狙うのに便利なクリーチャーです。
残った1/1も《冒険者の装具》を装備させれば無駄がありません。
《ツリーフォークの陰影》:+0/+2修整と「タフネスでダメージを割りふる」能力を与える族霊鎧オーラ。
普通に呪禁オーラで使おうとすると《怨恨》との相性の悪さが気になります。
《不屈の部族》のようにタフネスが大幅に上がるクリーチャーと組み合わせて使う感じでしょうか。
《樹上の伏兵》:疾駆と攻撃時の強化能力を持つ2マナ2/1。
とりあえず自身を強化すれば2マナ3/2。《大霊堂のスカージ》など味方を強化できるのも盤面次第ではかなり有用でしょう。
疾駆で出せば緑には珍しい速攻持ちクリーチャー。ストンピィの4ターンキル率の向上に貢献してくれます。
《凶暴な一振り》との相性が良いのも嬉しいですね。
《吠え象の群れ》:4マナで3/3トークン生成の反復ソーサリー。
反復によって次のアップキープにもう1回唱えられるので、これ1枚で4マナ6/6相当。
単体除去にも強く、マナ加速からすばやく唱えたい強力な呪文です。
《双子絹蜘蛛》:3マナ1/2到達×2。
3マナでフェアリーをガッチリ止めてくれるのが偉い。
単体除去にも強いので、緑の中速デッキでは《吠え象の群れ》と一緒に活躍してくれそうです。
《嵐の乗り切り》:ストーム付きのライフ回復呪文。
2マナなら6点~10点回復の呪文が多いので、ストームで2回以上コピーできるようにしたいところ。
バーンデッキは火力呪文を投げるタイミングに頭を悩ませることになりそうです。
《紆余曲折》:「クリーチャー」を選ぶと見れる枚数が1枚減った《暴走の先導》。「土地」を選ぶと《根囲い》。
多めにクリーチャーを採用する必要はありますが、2マナとは思えないアドバンテージを稼ぐ呪文になってくれます。
クリーチャーを30枚採用すると、1枚以上手に入る確率が約94%、2枚以上が約70%、3枚以上が約30%
クリーチャーを35枚採用すると、1枚以上手に入る確率が約97%、2枚以上が約80%、3枚以上が約45%
クリーチャーを40枚採用すると、1枚以上手に入る確率が約99%、2枚以上が約90%、3枚以上が約60%
追加の土地が欲しい場合は《根囲い》としても使えるので、安定性の向上にも貢献してくれるのが嬉しい。
さらに、ヒットしなかったカードは墓地に置かれます。これがコモンとは驚きですね。
《自然の詠唱》:混成になった《解呪》・《帰化》。
白マナで使える緑の呪文なので、白いファミリア系デッキが《陽景学院の使い魔》から1マナで唱えてきそうです。
《アーカムの天測儀》:氷雪1マナで出せるようになった《予言のプリズム》。
氷雪土地を採用するデメリットが小さいPauperでは、親和やウルザトロンなど一部を除く多くのデッキにとっては《予言のプリズム》の上位互換になります。
1ターン目に置けば、2ターン目RRから3ターン目UUUといった色拘束の強い動きが可能に。
緑を軸に白や赤の呪文をタッチする呪禁オーラでも5枚目以降の《豊かな成長》として採用されるかもしれませんね。
① 多色デッキの色事故率が大幅に減少
② 《コーの空漁師》・《きらめく鷹》・《カルドーサの再誕》がさらに使いやすくなる
③ これ自体が氷雪パーマネントなので《雪崩し》の火力を底上げできる
④ さらには《粗石の魔道士》で持ってこられる
などなど、このセットで最もPauperに与える影響が大きいカードだと思います。
《自在自動機械》:どんな色でも採用できる1マナの多相クリーチャー。
1マナ1/1バニラだけではどう考えても力不足。
《群れの誕生》のようなマイナーな部族支援カードを使うときに使う感じですね。
《誘惑の洞窟》:《未知の岸》の上位互換。1度だけ、実質5マナで+1/+1カウンターを2個おくことができます。
単色アグロでもマナフラッド受けとして採用することもあるかもしれません。
総括
《儚い存在》,《フェアリーの予見者》,《汚涜》,《オークの厄介者》,《紆余曲折》,そして《アーカムの天測儀》。
どの色にも環境に影響を与えそうなヤバイカードが多く、禁止改定と相まって環境が大きく変わっていきそうです。
一番気になるのは《アーカムの天測儀》がどこまで暴れるか、ですね。
シナジーのあるデッキの色サポート程度におさまるのか、はたまた環境の多色化を大きく進めるのか。
また一部のデッキが大暴れした場合、次は何が禁止になるのか。
今後のPauper環境の変化に注目です。
お疲れ様です。黒の《研究室荒らし/Ransack the Lab》はコモンですが、ピックアップされるようなカードパワーではないでしょうか?
墓地肥やしは偉いですね。ソーサリーなのが気になりますが…
《夜一の見張り》の漢字が間違っていますね
ありがとうございます。修正いたしましたー
変容の軍勢の説明文が第四隊の騙し屋のままですね
ありがとうございます!
一線級でなくとも強いカードが多いので友人を紙パウパーの沼に引き込むチャンスですね
個人的には金切るときの声の再録が嬉しいです
特殊セットは名カードの再録も嬉しいポイントですよねー
色んなデッキが変わってきそうで楽しみです
いつも楽しく見ています(^^)
2ターン目に、バリラシュの旗騎士2枚出せたら、3ターン目に殉教者の魂5/4で4枚出せるんじゃないかと思います。
3ターン目0マナ5/4はかなりの性能の高さなので、いろいろ試してみたいですね!
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